Rustが過去最大のバージョンアップ、「Rust 2018 Edition」正式リリース
Mozillaが中心となってオープンソースで開発されている言語「Rust」の最新バージョン「Rust 1.31」がリリースされました。
そしてRust 1.31はこれまでのRust言語に対する破壊的変更によってRust言語を進化させる「Rust 2018 Edition」(以下、Rust 2018)の最初のリリースでもあります。
これまでのRustは「Rust 2015 Edition」(以下、Rust 2015)と呼ばれます。
Rust 2018では言語の破壊的変更が行われましたが、Rust 2018のコンパイルを行うにはオプトイン方式による設定が必要。デフォルトではRust 2015のコードをコンパイルするようになっているため、Rust 2015で書かれたユーザーのコードに対する互換性はRust 2018でも維持されるようになっています。
Rust 2018 Editionでは生産性の向上を最大のテーマとし、特にネットワークサービス、コマンドラインインターフェイスのアプリケーション、WebAssembly、組み込みデバイスの4つの領域をおもなターゲットとして改善を行っていくとしていました。
おもな変更点としては、ドキュメントの改善やコンパイラの改善などに加え、generators/async/await構文の採用による非同期処理の実現、モジュール機構をさらに簡単かつ明確にし、ノンレキシカル・ライフタイムの採用によって値や参照のライフタイムを改善する、といったことが挙げられます。
Rust言語は、C言語のように低レベルのシステム開発向けに作られた言語です。しかし低レベル向けの言語でありながら、不正なメモリ領域を指すポインターなどを許容しない安全なメモリ管理と、マルチスレッド実行においてデータ競合を排除した高い並列性を実現している点が特長で、Mozillaのレンダリングエンジンなどの開発に使われています。
2018年3月に発表されたStackOverflowによる調査では、一番好きな言語のトップがRustとなっており、非常に注目されている言語でもあります。
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