Ruby誕生25周年を祝うイベント「Ruby25」開催。まつもと氏にサプライズでお嬢様ふたりから花束贈呈
1993年にまつもとゆきひろ氏によって開発が始まったRuby言語の25周年を記念したイベント、「Ruby25」(ルビィトゥエンティファイブ)が2月24日、都内で開催されています。
イベントでは、来賓として経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 課長 成田達治氏(企画官 和泉憲明氏が代読)、筑波大学大学院 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻長 加藤和彦教授が祝辞を述べ、また福岡県知事 ⼩川洋氏、松江市⻑ 松浦正敬氏、島根県知事 溝⼝善兵衛氏からの祝電も紹介されました。
続く特別講演では、一般社団法人日本Rubyの会 代表理事 高橋正義氏が登壇。「Rubyの1/4世紀」と題し、Rubyが開発され、国内外で普及し、Ruby on Railsなどエコシステムが発展してきた歴史を振り返りました。
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Rubyはいつ生まれたのか?
基調講演「Ruby after 25 years」に、Rubyのパパであるまつもとゆきひろ氏が登壇。
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まつもと氏「これまでたくさんのRubyのイベントがありましたが、私自身が開催しようと言ったことはありませんでした。ただ、Rubyの4分の1世紀はエポックメイキングなことだと思ったので、やってみたいねと言ってみたら、あれよあれよと立派なイベントになり、大変ありがたく思っています」
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「ソフトウェアの誕生とはなんでしょう? ソフトウェアには物理的実体はない、概念上の存在です。じゃあ、Rubyはいつからあるのか? 私の中でRubyはいつ生まれたのかと考えると、おそらく、Rubyという概念が生まれたとき、それは名前が重要なので、Rubyという名前が生まれたときではないかと思います。
私は昔からプログラミング言語に関心があって、とうとうプログラミング言語を作ろうと考えたときに、会社の先輩とどんな名前にしようかと相談しました。名前というのは重要で、名前をつけた日こそがRubyの生まれた日ではないかと思います。つまり、Rubyという名前をつけた1993年の2月24日こそがRubyが生まれた日ではないかと」(まつもと氏)
これからのRubyは
講演の後半では、今後のRubyについて言及。次のメジャーバージョンアップとなるRuby3では、JITコンパイラなどの導入によりRuby2よりも実行速度について3倍の高速化を目指しており、さらにマルチコアやマルチノードなどへの対応、より高度な型推論による開発の支援などを実現していくと説明。
「こういうのを反映したRuby3を、2020年には出せるといいなあ」(まつもと氏)
さらにその先のRubyについては、開発効率と保守性の向上、大規模分散環境対応、非均質計算環境への対応をテーマに挙げつつ「最大の目標はサバイバルすること。生き延びるためにもRubyの価値を提供し続けなければならない。Rubyの価値とは、たのしいプログラミング」(まつもと氏)と講演を結びました。
サプライズで花束贈呈に長女、次女が登壇
基調講演のあと25周年を記念した花束贈呈では、サプライズでまつもと氏のお嬢様ふたり(長女、次女)が登場。まつもと氏に大きな花束を手渡しました。
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長女(写真右)「父の印象で最初に思いつくのは、やさしい人です。すごい親馬鹿なんです。この人はあんまり子供というのが好きではないのですが自分の子供は大好きで、怒られた記憶がほとんどありません」
次女(写真左)「(子供ながらに、親が)好きなことをしているのは分かって、子供も好きなことをさせてもらったので、私にとっていい父だったなと。それを見て育ったので、好きなことで生きているのを体現している人だなあと思っています。」
まつもと氏「父親はこんなですが、子供は立派に育ちました」
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