フルマネージドなRedis、「Google Cloud Memorystore for Redis」が正式版として提供開始
RedisはNoSQLのインメモリデータベースもしくは分散インメモリキャッシュなどとして利用されるオープンソースのソフトウェアです。
基本的にすべてのデータがメモリ上に保持されるため、データの書き込みや読み出しなどの処理が1秒の1000分の1(すなわちミリ秒)かそれ以下のレイテンシで実行できるとされています。さらに複数のインスタンスを組み合わせて分散処理させることで、処理するデータの大きさや負荷に合わせてスケールできることも大きな特徴です。
こうした高い性能を持つRedisは、リアルタイムな処理を要求されるような性能要件の厳しいアプリケーションのバックエンドやキャッシュとして使われています。
Google Cloud Memorystore for Redisが正式版に
Google Cloud PlatformにおいてこのRedisをマネージドサービスで提供する「Google Cloud Memorystore for Redis」は、今年5月からベータ版が公開されていました。
Googleはこの「Google Cloud Memorystore for Redis」が9月20日付けで正式版になったと発表しました。
Google Cloud Memorystore for Redisは、Redisの機能やAPI、接続のためのプロトコルなどはもちろんそのままRedis互換となっています。Redisに対応したアプリケーションであれば、Google Cloud Memorystore for Redis対応においてコードの変更は必要ありません。
一方でマネージドサービスのおかげで、Redisを実行するサーバのプロビジョニングやパッチの適用、監視、障害復旧などの運用に関わる利用者側の作業は不要で、すべてGoogle Cloudが受け持ってくれます。
Google Cloud Memorystore for RedisのIPアドレスはプライベートアドレスを用いてインターネットから分離されており、さらにIAMを用いたロールベースのアクセスコントロールを行うこともできるため、セキュアな運用が実現できます。
設定には、同時に2つのゾーンでRedisのインスタンスが実行されてレプリケーションが行われ、万が一異常終了した場合には自動的にフェイルオーバーを行ってくれる高可用機能を備えた「Standard」か、もしくは高可用性を省略する代わり低コストで利用できる「Basic」か、いずれかを選択し、リージョン、データストア容量、スループットなどを指定するだけです。
Redisのマネージドサービスは、AWSでは「Amazon ElastiCache」が、Microsoft Azureでは「Azure Redis Cache」がすでに提供されています。Googleはこの機能において先行する両社に追いついた、という状況といえます。
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