マイクロソフト、再生可能エネルギーを用いた海底データセンターの実験開始。電力を自給自足するデータセンターを目指す
マイクロソフトの研究開発部門であるマイクロソフトリサーチは、海底に設置するデータセンターの研究を行う「Project Natick」に取り組んでいます。
2015年8月には、最初の実験用格納容器のプロトタイプをカリフォルニア沖約1キロの海底に設置して実験を開始。そして今回、二番目の実験としてEuropean Marine Energy Centre(欧州海洋エネルギーセンター)があるスコットランド北部諸島の海に、さらに大型の海底データセンターが設置されたと発表されました。
海底データセンターは円筒形をしており、内部には12のラックに864台のサーバが搭載されています。
海底データセンターの最終的な目的は、大陸の近いところに迅速にデータセンターを設置できるようにすること。さらに海底に設置することで冷却を容易にすることで消費電力を抑えるとともに、海流などの再生可能エネルギーを発電に利用することで自給自足型のデータセンターを実現することとされています。
今回、海底データセンターが設置された欧州海洋エネルギーセンターは、こうした海流や波を用いた発電の試験設備を備えています。ただ、現時点で海洋データセンターは海上の風力発電設備から接続されたケーブルで電気が供給されるようです。下記はプレスリリースから。
Colocation with marine renewable energy is a step toward realizing Microsoft’s vision of datacenters with their own sustainable power supply, explained Christian Belady, general manager of cloud infrastructure strategy and architecture in Microsoft’s cloud and enterprise division.
海洋再生エネルギーでのコロケーションは、電力の自給自足型データセンターというマイクロソフトのビジョンを実現する一歩となる。と、マイクロソフトのクラウド&エンタープライズ部門のクラウドインフラストラテジー&アーキテクチャーのゼネラルマネージャ、クリス・ベラディは説明する。
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