サーバレスのオープンソース実装「OpenFaaS」の作者、VMwareが雇用しフルタイムで開発へ
サーバレスコンピューティングには、AWS LambdaやAzure Functionsなどクラウドベンダの独自実装だけでなく、IBMが採用したOpenWhisk、オラクルが採用する「FnProject」など、オープンソースのさまざまな実装が登場しています。
そのオープンソースによるサーバレスコンピューティングの実装のひとつに「OpenFaaS」があります。
このOpenFaaSの作者であるAlex Ellis氏が、VMwareに雇用されてフルタイムでOpenFaaSの開発に取りかかることが、同氏のブログにポストされた記事「I'm going to be working on OpenFaaS full-time」で発表されました。その一部を引用します。
And after many conversations, I decided that the Open Source Technology Center (OSTC) at VMware would be the best place for me to do that. This option makes sense because I will get to retain control of the project and the brand while collaborating alongside other Open Source leaders with expertise in the containers and virtualization field.
多くの議論を経て、私はVMwareのOpen Source Technology Center(OSTC)がOpenFaaSを開発する上で最高の場所だと決めた。私は、このオープンソースのリーダーとしてコンテナや仮想化の分野の専門家と協力でき、引き続きOpenFaaSのブランドやプロジェクトを管理できるからだ。
VMwareのサーバレスはどうなる?
OpenFaaSはDockerコンテナをファンクションとしてイベントから呼び出せる仕組みを提供する、シンプルで柔軟性の高いサーバレスコンピューティング環境とされています。
VMwareは特定のサーバレスコンピューティング環境をまだvSphereなどに実装していないため、OpenFaaSの作者をVMwareが雇用したとことで、VMwareがこれから提供するであろうサーバレスコンピューティング環境の候補としてOpenFaaSが考えられていると想像できます。
一方、VMwareと同じDell Technologiesグループの一員であるPivotalは、vSphere環境にも対応するサーバレスコンピューティング環境の「Pivotal Function Service」を昨年12月に発表。2018年後半には登場する予定です。
このPivotal Function Serviceは、これもオープンソースによるサーバレスコンピューティングの実装である「riff」がベースになっています。
サーバレスコンピューティング環境の実装はいま多くの選択肢があります。VMwareはいま、そうしたなかから有力となる選択肢を見極めようとしているのかもしれません。
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