分散KVSの「etcd」、Cloud Native Computing Foundationのインキュベーションプロジェクトに
Kubernetesなどの開発をホストするCloud Native Computing Foundation(CNCF)は、オープンソースとして開発されている分散キーバリューストア「etcd」(読みはエトセディー)の開発がCNCFのインキュベーションプロジェクト(育成段階のプロジェクト)になったことを発表しました。
etcdはもともとCoreOS(現在はRed Hatが買収)がコンテナのクラスタの構成情報や状態などを管理するために開発した分散キーバリューストアです。
ネットワーク上に分散した多数のノードから構成されるクラスタでは、ノードの障害やネットワークの分断に対する強い耐性を持ちつつ、クラスタの情報を管理するために多数のノードからの書き込みや参照を高速に処理できるデータストアが求められていました。
そうした要件を満たすには、集中管理されたデータベースよりも多数のノード間でデータをレプリケーションする分散キーバリューストアが適しているとされ、開発されたのがetcdです。
etcdは分散されたノードによって単一障害点を持たず高い可用性を備え、情報は多数の分散したノードにレプリケートされつつも高い一貫性を保つようにできているのが特徴です。
Go言語で開発されており、GoogleやRed Hat、AWS、シスコなど多くの企業が開発に協力しています。
現在ではKubernetesやCloud Foundryなどをはじめとするコンテナプラットフォームの基盤として使われている重要なオープンソースソフトウェアの1つとなっています。
etcdがCNCFのプロジェクトになることについて、CNCFのCOOであるChris Aniszczykは次のようにコメントしました。
We’re excited to have etcd join CNCF as an incubation project and look forward to cultivating its community by improving its technical documentation, governance and more,”
etcdがCNCFのインキュベーションプロジェクトとして参加することをとても喜ばしく思います。今後テクニカルドキュメントやガバナンスなどの充実を通してコミュニティがより前進していくことをとても楽しみにしています。
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