Kubernetesのマネージドサービスはレッドオーシャンへ。NetAppがマルチクラウド対応「NetApp Kubernetes Service」発表。StackPointCloudを買収
StackPointCloudが提供するサービス「Stackpoint.io」は、数クリックでAWSやAzure、Google Cloud PlatformなどへKubernetesやIstioを展開しマネージドサービスとして提供する、いわゆるマルチクラウドに対応した「Kubernetes-as-a-Service」でした。
大手ストレージベンダのNetAppは、このStackPointCloudの買収と、従来のサービスを「NetApp Kubernetes Service」としてNetAppブランドで提供、Kubernetesのマネージドサービスに参入することを発表しました。
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— NetApp (@NetApp) 2018年9月18日
NetApp HCIにも対応し、ハイブリッドクラウドのソリューションに
NetApp Kubernetes Serviceは、AWSやAzure、Google Cloud Platformなど従来のクラウド対応に加え、NetAppのハイパーコンバージドシステムである「NetApp HCI」にも対応します。
これによりNetApp Kubernetes Serviceは管理画面を通じて、AWSやAzureなどのパブリッククラウドからオンプレミスのNetApp HCIにまたがるKubernetesのマネージドサービスを展開できるようになり、Kubernetesのバージョンアップや障害発生時の対応、KubernetesクラウドへのIstioやPrometheus、Fabric8、CloudFlare、GitLabといったミドルウェアやアプリケーションなどのデプロイと管理も簡単に行えるようになります。
NetAppはこれまでストレージベンダとしてストレージアプライアンスを提供するだけでなく、クラウド対応として同社のストレージOSのクラウドへの移植、バックアップやディザスタリカバリなどストレージサービス、データマネジメントサービスなどによるクラウド対応を進めてきました(同社はすでに自社をストレージベンダではなくデータマネジメントベンダと考えています。本記事では分かりやすさを優先してストレージベンダと記述しています)。
さらに同社はハイパーコンバージドシステムであるNetApp HCIの提供により、オンプレミスにおけるサーバを含むクラウド基盤構築にも参入しています。
そして今回の「NetApp Kubernetes Service」発表で、主要なパブリッククラウドやオンプレミスをKubernetesのレイヤで連係させるハイブリッドクラウドへも手を広げたことになります。
Kubernetesのレイヤでのハイブリッドクラウド
コンテナ型仮想化とそれをオーケストレーションするKubernetesは、次世代のアプリケーション基盤として事実上の標準となりました。
参考:Dockerコンテナ時代の第一章の終わり、そして第二章の展望など
それゆえにAWSやAzure、Google Cloud Platformはもとより、VMware、Dockerなどさまざまなツールベンダ、サービスベンダがKubernetesのマネージドサービスへ参入し、レッドオーシャンの様相を呈し始めています。
NetAppがそのレッドオーシャンに飛び込んだことは意外なできごとでしたが、それだけにKubernetesとそのエコシステムはあらゆるベンダにとって無視できない領域であることを示しているようです。
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