Kubernetesに分散ストレージのCephを統合する「Rook」がCNCFの正式プロジェクトに。ファイル、ブロック、S3互換オブジェクトストレージやマルチリージョン対応も
Cloud Native Computing Foundationは、Kubernetesにストレージ機能を統合する「Rook」を15番目のプロジェクトとして承認した。Rookの最初のターゲットはKubernetesにCephを統合することである。
Dockerコンテナを用いた分散アプリケーションのオーケストレーションツールであるKubernetesは、現在のところクラスタ化されたコンテナの死活管理といったオーケストレーション機能を提供するソフトウェアです。
Kubernetesの開発を主導しているCloud Native Computing Foundation(以下CNCF)は、Kubernetesにストレージ管理機能を統合するためのソフトウェア「Rook」を、CNCFの正式なプロジェクトとして承認したことを発表しました。
KubernetesにCephを統合することがRookの最初のターゲット
Rookは、新たにKubernetes対応のストレージソフトウェアを開発するのではなく、既存のストレージ機能を持つソフトウェア、例えば分散ストレージを実現するCephなどをKubernetesと統合することを目的としたソフトウェアです。
そしてRookの最初のターゲットは、KubernetesとCephとの統合です。その後、Ceph以外のさまざまなストレージも対象とするとされています。
Cephはオープンソースとして開発されている分散ストレージを実現するソフトウェアです。Cephをストレージ内蔵のサーバにインストールし、複数のサーバをネットワークで接続することで分散ストレージが実現されます。そしてファイルストレージの機能、ブロックストレージの機能、そしてAmazon Web ServicesのS3互換オブジェクトストレージ機能などを提供します。
RookによってKubernetesにCephが統合されると、アプリケーション用のクラスタとストレージ用のクラスタをKubernetesによって柔軟に配置しながら運用することや、ハイパーコンバージドインフラストラクチャのように、アプリケーションとストレージを同一ノードに展開することなどが可能になります。
と同時に、アプリケーションもストレージも、ノードを追加していくことで性能と容量が増大していくスケーラブルな運用も可能になると考えられます。
Rookは現在バージョン0.6。ロードマップによると、次の0.7ではブロックストレージ機能がベータ版となり、その次の0.8ではオブジェクトストレージがベータ版に。マルチリージョンレプリケーションやスナップショットなどのサポートも予定されています。
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