Kubernetes 1.11が正式リリース。より軽量なIPVSロードバランシング採用、KubeDNSからCoreDNSへ、Kubeletの動的コンフィグレーションなど

2018年7月4日

コンテナオーケストレーションツールKubernetesの最新版となる「Kubernetes 1.11」が正式にリリースされました

Kubernetes 1.11 Release

Kubernetes 1.11ではクラスタのスケーラビリティに関する2つの大きな変更が完了し、より高いスケーラビリティを安定して実現できるようになっています。Kubernetesのコア機能が大きく進歩したリリースと言えます。

CoreDNSがKubernetesのデフォルトDNSとして選択可能に

その1つ目は、KubeDNSからCoreDNSへの変更が完了した点です。

Kubernetesはオーケストレーション機能を実現するために内部にDNS機能を必要としており、これまではそこにKubernetesの開発エンジニアがKubernetes開発の合間に開発しメンテを行ってきたKubeDNSが用いられていました。

これを、よりシンプルで安定したCoreDNSへ移行する作業が進められていましたが、このKubernetes 1.11からデフォルトのDNSとしてCoreDNSが選択可能となりました。

CoerDNSはKubernetesの開発をホストしているCloud Native Computing Foundationの正式な開発プロジェクトの1つであり、専門のコントリビュータらがしっかりと開発とメンテナンスを行っています。単一のGoバイナリで実行される、よりシンプルかつ軽量で高速なDNSです。

IPVSベースのロードバランス採用

2つ目は、クラスタ内のノードに対するロードバランスとして、IPバーチャルサーバ(IPVS)ベースのものが正式にリリースされたことです。

これはカーネルの仮想ネットワーク機能やルーティング機能を活用してロードバランスを行うもので、よりもシンプルで高速なロードバランスや、クラスタのスケーラビリティ向上などを実現します。

動的なKubeletのコンフィグレーションが可能に

KubernetesのPodを管理するエージェントであるKubeletは、これまで起動時にコンフィグレーションファイルを読み込むことで設定が行われてきましたが、Kubernetes 1.11では実行中のKubeletに対してコマンドラインなどで動的に設定を変更する機能がベータ版として加わっています。

そのほかパーシステントボリュームに対するオンラン状態でのリサイズ機能など、多くの新機能がKubernetes 1.11で加わっています。

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Junichi Niino(jniino)
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