IaaS+PaaSクラウドの売り上げ、AWSが世界のどの地域でも1位に。全世界の4位にはAlibabaが登場。Synergy Research
世界のすべての地域において、IaaSとPaaSを合わせたクラウド市場の売り上げトップはAWSであるという調査結果を、米調査会社のSynergy Research Groupが発表しました。
調査結果では、世界を北米(North America)、欧州および中東とアフリカ(EMEA)、アジア太平洋地域(APAC)、ラテンアメリカ(Latin America)に分けて地域別にランキングが示されています。
AWSの後を追って全世界市場で2位に付けるのが、アジア太平洋地域以外のすべての地域で2位を確保したマイクロソフトです。3位のGoogleも同様にアジア太平洋地域以外のすべての地域で3位となっています。
こうしてみると、アジア太平洋地域がほかの地域とランキングが異なることが目立ちます。その最大の要因は、このアジア太平洋地域で2位となっているAlibabaの存在でしょう。Synergy Researchも調査結果のなかで以下のように指摘しています。
Asia Pacific is the one region where the ranking differs, thanks to the prominence of the Chinese market and the dominance of local cloud providers in China. That results in Alibaba being ranked second in the APAC region and fourth worldwide.
アジア太平洋地域はランキングが異なる地域である。これは突出した中国市場と、この市場を占有する地元クラウドプロバイダーのせいである。その結果、Alibabaはアジア太平洋地域で2位となり、全世界でも4位となった。
そしてこのアジア太平洋地域でさえAWSが1位であることは、いかにAWSがクラウド市場において大きな存在なのかをあらためて印象づけるものとなっています。
ホステッドプライベートクラウドを加えるとIBMがAlibabaを抜く
上記のIaaS+PaaSにおける全世界のランキングでは、1位がAWS、2位がマイクロソフト、3位がGoogle、4位がAlibaba、5位がIBMとなっていました。
一方、同じSynergy Research Groupが5月に発表した、IaaSとPaaS、さらにホステットプライベートクラウドを合わせたクラウドインフラサービスのシェアでは、1位がAWS、2位がマイクロソフト、3位がIBM、4位がGoogle、5位がAlibabaとなっています。
ここから推測されるのは、IBMはホステッドプライベートクラウドすなわち顧客からプライベートクラウドの運営を請け負うサービスの割合が、ランキングを2つも上げるほど大きいのであろう、という点です。ランキングを見るときに、何を基準にしているかで順位が変わる例と言えそうです。
ただしGoogleやAlibabaと比べてIBMの成長は鈍く見えるため、ランキングにもこれから変動が起きそうです。
あわせて読みたい
Eclipse最新版「Eclipse Photon」リリース。Java 10に加え、RustとC#をサポート
≪前の記事
MongoDBもサーバレスプラットフォーム提供開始、「MongoDB Stitch」正式リリース