gRPC-Webが正式リリース。WebブラウザからgRPCを直接呼び出し可能に
Googleによって開発され、現在Cloud Native Computing Foundation(CNCF)によって開発がホストされているRPCフレームワーク「gRPC」は、プログラミング言語に依存せず、HTTP/2をサポートしたシンプルで高速なRPCを実現できる特徴を備え、マイクロサービスなど分散アプリケーションなどの実装で広く使われ始めています。
このgRPCをWebブラウザのJavaScriptから呼び出し可能にする「gRPC-Web」が正式リリースとなったことを、CNCFが発表しました。
これまではWebアプリケーションのバックエンドでgRPCを用いて開発を行ったとしても、それをWebブラウザから呼び出すには、WebブラウザとWebサーバ間をRESTful APIなどで接続し、WebサーバからgRPCを呼び出すという手法で、RESTfulとgRPCをブリッジすることが一般的でした。
gRPC-Webを利用可能することで、Webブラウザが直接gRPCクライアントとなってバックエンドを呼び出せるようになり、アプリケーションの構造をシンプルにできるようになります。
アプリケーションの全体を単一のプロトコル、gRPCで構築できることには利点があると、CNCFは次のように説明しています。
But imagine those applications’ development processes united around a single protocol and a single set of .proto interfaces (and thus a single set of service contracts) and you can almost feel the countless hours saved and headaches avoided.
これらのアプリケーション開発プロセスが単一のプロトコルおよび単一の.protoインターフェイスのセット(その結果、単一のサービスコントラクトのセット)で統合されることを考えてみてほしい。何時間もの時間を節約し、また多くの面倒くささも解消できるのではないだろうか。
CNCFでは今後、gRPC-WebをReactやAngular、Vueといった人気のあるフレームワークでサポート可能にすることなどに務めるとしています。
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