Google Kubernetes Engine 1.10が正式リリース。ゾーンに分散したストレージのレプリケーション、マルチマスターを3つのゾーンに分散して高可用性を実現
Googleは、クラウド上でKubernetesをマネージドサービスとして提供する「Google Kubernetes Engine」の最新バージョンとなる「Google Kubernetes Engine 1.10」(以下、GKE 1.10)の正式リリースを発表しました。
GKE 1.10では主に以下の3つの機能を提供することで、企業の本番環境での用途に耐えうるよう、可用性の向上などを実現しています。
- 共有VPCのサポート
- リージョン内のストレージ間レプリケーション、マルチマスター対応
- ノードの自動修復
主な機能の詳細を見ていきます。
共有VPCのサポート
VPC(仮想プライベートクラウド)を複数の組織で共有することが可能になります。下記はVPCを2つのチーム(DevOps1とDevOps2)が共有しており、それぞれのチームはVPC内のサブネットで区切られています。このVPCは2つのチームの上位組織がホストしており、上位組織がまとめて管理できるようになっています。
Regional Persistent Disk(リージョナルパーシステントディスク)
リージョナルパーシステントディスクは、リージョン内の2つのゾーンにそれぞれ配置されたネットワークストレージです。ゾーンをまたいで同期レプリケーションが実行されているため、万が一どちらかのストレージが障害などで使えなくなったとしても、別のゾーンのストレージに切り替えて使うことができるため、可用性の向上につながります。
Regional Clusters, node auto-repair(リージョナルクラスタと自動ノード修復)
リージョナルクラスタは、Kubernetesのコントロールプレーンをリージョン内の3つのゾーンそれぞれに分散配置することで、高可用性を実現すると同時に、Kubernetesのマスターをアップグレードする際にもダウンタイムゼロで行える利点を提供します。また、ノードの自動修復機能も正式リリースされました。
カスタムメトリクスによるPodのオートスケーリング
GKE 1.10では、ホリゾンタルポッドオートスケーラーがベータ版として、Pods、Object、Externalの3つのカスタムメトリクスに対応するようになります。