オラクル元製品開発担当プレジデントのトーマス・クリアン氏、Google Cloudのトップに転職
現在Google CloudのCEOを務めるDiane Greene(ダイアン・グリーン)氏は、自身の退任を発表するとともに後任として10月にオラクルの製品開発担当プレジデントを辞任したトーマス・クリアン氏が着くことを発表しました。
引継ぎのためダイアン氏は2019年1月まで現職にとどまりますが、その後はGoogle Cloudをクリアン氏が率いることになります。
トーマス・クリアン氏は22年ものあいだオラクルの幹部を務めた人物で、先月オラクルを退職したばかり。
退職の理由として、オラクル製品をAWSやAzureにもっと対応させるべきというクリアン氏の案をオラクルの創業者兼CTOのラリー・エリソン氏が却下したからではないかと、米Bloombergは報じていました。
Google Cloudのビジネスにとって、エンタープライズ市場に明るい幹部の採用はつねに重要な課題でした。今回退任を発表したダイアン・グリーン氏はVMwareの共同創業者の一人であり、エンタープライズ市場に明るい人物として2015年にGoogle CloudのCEOに就任した際には大きな期待を寄せられていました。
2017年12月にはインテルでデータセンター部門のトップを務めていたダイアン・ブライアント氏をGoogle CloudのChief Operating Officer(COO)として採用、ダイアン・グリーン氏の右腕として活躍することが期待されていましたが、残念ながらわずか7カ月後の今年7月に退職しています。
こうしたなか、徹底的にエンタープライズ市場にコミットしてきたオラクルのプレジデントであったクリアン氏のGoogle Cloudのトップ就任は、Googleにとって期待の人事であることは間違いありません。
クリアン氏は、ラリー・エリソン氏やマーク・ハード氏のような押しの強いキャラクターが多い印象のオラクルの幹部のなかにおいて、落ち着きのある知的な雰囲気をまとった人物です。Googleとの相性は悪くないのではないでしょうか。
余談ですが、NetApp CEO兼プレジデントのGeorge Kurian(ジョージ・クリアン氏)は、トーマス・クリアン氏と双子の兄弟だそうです。IT業界のトップベンダをそれぞれ率いる兄弟のあいだではどんな話をするのでしょうね?
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