マイクロソフト、GitHubとの連係強化を発表。GitHubのCI/CD向け新機能「Checks API」に対応。Build 2018
マイクロソフトが米国シアトルで開催中のイベント「Build 2018」、初日の基調講演にGitHubのシニアバイスプレジデントJason Warner氏が登壇しました。
マイクロソフトはGitHubとの連係を推進するため、GitHubが同日にパブリックベータとして発表したビルドツールなどとの連係を強化するための新しいAPI「Checks API」にAzureおよびVisual Studioなどの開発環境が対応。GitHubと連係した自動ビルドや自動テストなどによるDevOps機能の強化を行うことを発表しました。
GitHubがChecks API発表、ビルドツールなどと連係強化
GitHubが発表した新機能「Checks API」は、GitHubとビルドツールやテストツールなどとの統合度を高めるためのインターフェイスです。
これまではGitHubからビルドサービスへコードがプッシュされ、ビルドやテストが実行された後、GitHub側ではそれらが成功したか失敗したかという単純な結果しか受け取れませんでした。
「Checks API」を用いると、GitHub側で詳細な結果を受け取り、その内容を「Checks」タブで参照できるようになります。
Travis CIやCircle CI、そしてマイクロソフトは、さっそくこのChecks APIへの対応を発表しました。
Visual Studio App CenterとGitHubが連係
マイクロソフトがGitHub Checks API対応の第一弾として発表したのが、モバイル開発環境である「Visual Studio App Center」によるGitHub Checks APIとの連係です。
Visual Studio App Centerとは、iOSやAndroid、Windowsなどに対応したモバイルアプリケーションをビルドし、実際に多数の物理デバイスへデプロイし、自動的にテストを行い、アプリケーションをアプリストアなどへ配信し、クラッシュ時には分析などを行う、などの機能を提供するモバイルアプリケーション開発支援サービスです。
Objective-C、Java、Kotlin、UWP、React Native、Xamarinなど、さまざまなプログラミング言語やフレームワークに対応しています。
GitHubのChecks APIを経由してApp Centerと連係するには、まず「GitHub Marketplace」にある「App Center」対応拡張機能をリポジトリに適用します。
App Centerは無料で月間240分のビルド時間などが利用可能。
すると、App Center側の画面からGitHubのリポジトリが見えるようになります。
ビルドとテストを行いたいリポジトリを選択し、アプリケーション名やOS、プラットフォームを選択してビルドとテストを開始。
Azure上で自動的に仮想マシンがプロビジョニングされ、仮想マシン内にコードやフレームワーク、コンパイラなどが構成された後に自動ビルドが実行されていきます。
ビルドの結果は前述のようにChecks API経由でGitHubの画面上でも参照できます。どうやら成功したようです。
App Centerでは、ビルドしたアプリケーションを本物の物理デバイスにデプロイし、自動的にテストを実行することもできます。
開発が完了したアプリケーションは、App Centerの画面からアプリストアなどへ提出できます。
マイクロソフトは、GitHubとApp Centerとの連係で、モバイルアプリケーション開発はこれまでにないほど生産性が高まったとしています。
Build 2018
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