GitHubが示した2018年のオープンソースのトレンド。Angularのようなクロスプラットフォーム対応ツール、機械学習などに加え、学習や就職支援ツールも盛り上がると
GitHubは同社のブログで、2018年のオープンソースのトレンドに関する記事「Open source project trends for 2018」を公開しました。
これはGitHub上の多数のプロジェクトに関する昨年の調査を元に、おもに急速に成長しているプロジェクトがどの分野に多いのかなどの傾向を分析したもの。
同社はこの記事で、オープンソースソフトウェアのプロジェクトにおいて3つの成長分野を示しました。
クロスプラットフォーム対応のためのプロジェクト
1つは「Cross-platform development」です。この分野に該当するプロジェクトとして挙げられているのは、AngularやReactといったJavaScriptライブラリ、そしてElectronのようなWebアプリケーション用のフレームワークです。
これらはいずれもWeb技術を基にしているため、クロスプラットフォーム対応のアプリケーション開発の基盤となり得ます。GitHubの記事では、これらのプロジェクトが急速に成長する背景を次のように説明しています。
These projects simplify the development process, shortening the time from start to deployment across desktop and mobile platforms.
これらのプロジェクトは、デスクトップからモバイルに渡るプラットフォーム群への展開する開発プロセスをシンプルにし、かつ短時間で実現してくれるのだ。
2018年はProgresive Web Appsが本格的に展開されることも予想されているため、Web技術をベースにしたアプリケーションの利用分野はますます拡大していくことでしょう。
- マイクロソフト、Progressive Web Apps(PWA)をWindows 10のデスクトップで実行可能に。Windows 10はWindows、Linux、PWA対応のプラットフォームへ - Publickey
- AppleもiOS/macOSをProgressive Web Apps(PWA)対応へ。次のSafari 11.1でService Workerなど実装 - Publickey
ディープラーニング
オープンソースにおける2つ目の成長分野とされているのが「ディープラーニング」です。KerasやDeepSpeech、TensorFlowなどの名前が挙げられています。
ディープラーニングはIT業界だけでなく社会的にも注目が集まっている分野なだけに、これが急速に成長する分野と目されるのは当然でしょう。
スキルや仕事の獲得に役立つ情報も
3つ目は少しユニークで、プログラミングのプロジェクトではなく、スキルや仕事の獲得に役立つ情報やツールも人気上昇中だと指摘されています。
例としてあげられているのは、JavaScriptの学習をスニペットを見ながら行える30-seconds-of-codeや、Pythonのプログラミングスキルを短いコードで学べるpytudes。入社試験のインタビューをうまく切り抜ける方法を学べるcoding-interview-university、tech-interview-handbookなど。
そしてNode.js Best Practicesは、タイトル通りコーディングのベストプラクティスを提供し、アリババのコーディングガイドラインが公開されているP3Cなども挙げられています。
GitHubではコードだけではなくドキュメントなどを公開する例も増えてきました。例えばW3CはHTML5の仕様をGitHubで公開し、だれでもプルリクエストを投げることができるようにしています。2018年は、GitHubにおけるこうした広がりも注目されていくことになりそうです。
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