インテルのFPGA、富士通とDell EMCが採用しx86サーバへ搭載。XeonとFPGAの統合へ第一歩
米インテルは、同社のFPGAアクセラレータをDell EMCと富士通がx86サーバに採用したと発表しました。
Today, Intel announced top-tier OEM adoption of Intel’s field programmable gate array (FPGA) acceleration in their server lineup. This is the first major use of reprogrammable silicon chips to help speed up mainstream applications for the modern data center.
本日インテルは、上位OEM企業がサーバラインナップにインテルのFPGA(Field Programmable Gatearray)アクセラレーションカードを採用したことを発表します。これは再プログラム可能なシリコンチップによってデータセンターにおけるメインストリームアプリケーションの性能向上を実現する初めての主要な使用例となります。
「Adoption of Intel FPGAs for Acceleration of Enterprise Workloads Goes Mainstream | Intel Newsroom」から引用
インテルは将来的にXeonにFPGA機能を統合するとしています。今回、富士通とDell EMCに採用されたのは拡張カード型の「Intel Programmable Acceleration Cards with Arria 10 GX FPGA 」ですが、これはインテルにとってx86サーバとそのプロセッサであるXeonにFPGAを統合する第一歩といえます。
富士通はPRIMERGYシリーズで、Dell EMCはPowerEdge R640/R740/R740XDでFPGA搭載モデルが利用可能になります。
XeonとFPGAを組み合わせるロードマップの第一弾
2017年6月、インテルはFPGA大手「アルテラ」の買収を発表します。
インテルの成長を長年にわたって支えてきた回路の微細化と集積率の向上に限界が見えてきたため、同社は新たなプロセッサの性能向上技術の重要な要素としてFPGAを位置づけたためです。
FPGAとはチップ内部のロジックをソフトウェアによってあとから自由に書き換えられるLSIの一種です。ロジックを書き換えることで、特定の処理を汎用LSIよりも非常に高速に処理できるようになります。
例えば機械学習の処理やセキュリティの暗号化処理などのアルゴリズムをFPGAによってチップ内のロジックを組み込むことで、汎用プロセッサよりも大幅に高速かつ低消費電力で処理できるとされています。
インテルは、アルテラを買収したときに将来のロードマップとして、まずXeonに外付けのFPGAを組み込むところからはじめ、次にXeonとFPGAを同一シリコン上に載せ、最終的にはXeonのコアにFPGAを組み込むことを示しており、今回の発表は、そのロードマップの第一段階だといえます。
同社は2020年までに2020年までにクラウドサービスプロバイダのサーバノードの3分の1がFPGAを利用するだろうと予測しており、それに向けて今後もサーバベンダに対してFPGAの採用を推し進めていくことになります。
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