Flutter、ベータを卒業してリリースプレビューへ。Dart言語によるiOS/Android対応アプリフレームワーク
Googleが開発しているDart言語によるモバイルアプリケーションフレームワークの「Flutter」が、ベータ版を卒業して正式リリース手前のリリースプレビュー1としてリリースされました。
リリースプレビューになったことは、Flutterが安定した品質に到達したことを示すものだと説明されています。
The shift from beta to release preview signals our confidence in the stability and quality of what we have, and our focus on bug fixing and stabilization.
ベータからリリースプレビューへの移行は、安定性とクオリティの獲得に対する自信の表れであり、引き続きバグフィックスと安定化に注力していく。
モバイルアプリ向け言語として再スタートしたDartと、そのためのFlutter
Flutterの特長は、単一のソースコードでiOSとAndroidそれぞれのOSに適した美しいUIやネイティブな機能へのアクセスを実現する点にあります。また、コードの変更をすぐシミュレータや実機の表示や動作に反映し迅速な開発を可能にする「Stateful Hot Reload」機能などを備え、効率よく短期間にネイティブアプリケーションの開発を実現可能です。
そしてFlutterはDart言語を基盤としたフレームワークです。
DartはもともとJavaScriptを代替する言語になることを目論んで2011年にGoogleが開発を始めましたが、その当初の目的は達成できず、忘れられていく言語ではないかと考えられていました。
しかし2018年3月にDartの開発チームはDart言語を「Dart 2」としてモバイルアプリケーションの開発言語として再起動。Dart 2では、型推論によってコードの品質を高める支援を行い、コードによるUIの定義では、newやconstをオプションにすることで、より直接的にUIをコードで表現できるように強化されました。
そしてDart 2の再起動を後押しするべく発表されたのがFlutterでした。
そのFlutterのリリースが近づいてきたことで、関連ツールも充実し始めてきています。Flutterの開発チームは、Visual Studio Code用の拡張機能「Flutter extension for Visual Studio Code」のアップデートを続けています。
またFlutter開発チームとは別の開発者によるオープンソースとして、Webベースのビジュアル開発ツール「Flutter Studio」なども登場しています。
Flutter開発チームによると、Flutterの人気は米国、インド、中国などで盛り上がりを見せているとのことです。
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Flutterはマルチデバイス対応へと進化していき、2021年3月、Flutter 2が公開されました。
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