Docker Engine 18.09リリース、BuildKitの搭載でコンテナビルドのスピードを最大9倍以上に高速化
DockerはcontainerdやBuildKitの最新版を搭載したDocker Engine 18.09のリリースを発表しました。
Docker Engine 18.09の最大の特徴は、新しく登場したコンテナイメージのビルダであるBuildKitを搭載したことで、ビルドのスピードが大幅に向上した点でしょう。
BuildKitは7月に登場したDocker Engine 18.06で実験的に搭載され、実験モード(experimental mode)では利用可能でした。今回のDocker Engine 18.09では実験モードでなくとも利用可能な標準機能となりました。
BuildKitはビルドの機能を根本的に見直したとされており、ローレベル中間ビルドフォーマット(LLB:Low-Level intermediate build format)を採用して依存グラフ関係を表現できるようにし、ビルドの最適な実行パスを分析。ステージのビルドの並列実行や不要なステージのスキップ、ビルド間でのインクリメンタルな転送、効率的なキャッシュなどを用いて従来よりもビルドを大幅に高速化しています。
DockerCon 18のセッションで発表された資料によると、新規のビルドで約2倍高速に。
さらにキャッシュを活用することで9倍以上高速になっています。
Docker Engineにはエンタープライズ向け機能を含む有償の「Docker Engine Enterprise」と、無償の「Docker Engine Community」があり、Community版はDocker EngineのWebサイトから、Windows対応やMac対応、UbuntuやCentOS、DebianなどLinux対応、そしてAWSやAzureなどクラウド対応などがダウンロード可能です。
Docker Engine 18.09から6カ月ごとのアップデートに
これまでDocker Community Editionは、3カ月ごとに安定版がリリースされる「Stable channel」と、1カ月に一度のペースで最新機能を組み込んだバージョンがリリースされる開発者や評価者向けの「Edge channel」の2つのチャネルに分かれていました。
しかし今年7月に新しいリリースサイクルが発表され、このDocker Engine 18.09からは6カ月ごとに安定版がリリースされるサイクルとなります。
次のリリースとなるDocker Engine 19.03は本来であれば2019年3月頃リリースとなります(実際には4月か5月頃になるのではないでしょうか)。また、6カ月のリリースサイクルからは安定版のメンテナンス期間は7カ月となるため、Docker Engine 18.09のメンテナンス期間は7カ月後の2019年6月までとなるはずです。
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