[速報]Docker EEでAWS、Azure、GCEのKubernetesを一元管理。クラウド間でアプリケーションの移動や複製、ロードバランスなど実現。DockerCon 2018
サンフランシスコでDockerのイベント「DockerCon 2018」が開幕しました。
初日の基調講演の最後に発表されたのは、Docker Enterprise Edtion(以下Docker EE)の新機能として、AWSやAzure、Googleが提供するKubernetesのマネージドサービスやオンプレミスのKubernetesなどをDocker EEが一元管理し、クラウド間のコンテナの移動などを実現する、というものでした。
Docker EEによるオンプレミスや任意のクラウド上のKubernetesに加え、Amazon Elastic Container Service for Kubernetes(EKS)、Azure Kubernetes Service(AKS)、Google Kubernetes Engine(GKE)など、各クラウドのマネージドなKubernetesサービスに対応します。
Docker EEによる一元管理を実現するには、それぞれのKubernetesにエージェントを追加します。これにより、Docker EEのコンソールからそれぞれのクラウドのKubernetesクラスタがまとめて見えるようになります。
Docker EEのコンソールで異なるクラウドにあるKubernetesを一元管理し、Docker Trusted RegistryからDockerイメージを配布することが可能。
さらに、クラウド間のアプリケーションの移動、複製も可能で、移動に合わせてDNSのルーティングを自動的に切り替えることでディザスタリカバリを実現することや、グローバルなルーティングを用いてクラウド間にトラフィックを分散させてロードバランスを行うことも可能と説明されています。
Publickeyでは、昨年12月に公開した記事「Dockerコンテナ時代の第一章の終わり、そして第二章の展望など」で、Dockerが今年このような機能を発表するだろうと予測していました。
どのクラウドも同じコンテナオーケストレーションツールのKubernetesと標準仕様のコンテナが使われているのであれば、これをKubernetesのレイヤで束ねてコンテナをクラウド間で柔軟に移動する、ということが可能になります。
少なくともDockerは昨年からDocker Datacenterで(Kubernetesとは異なる実装で)こうしたことを実現しようとしていました。今年、Kubernetesとの統合を発表した同社としては、あらためてKubernetesを用いた実装で実現しようとしてくると思われます
まさにこれが当たったことになります。
DockerCon 2018
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