Dart用UIツールキット「Flutter」がバージョン1.0に到達。iOS/Androidネイティブアプリを単一コードで開発。Flutter Live '18
Googleは12月4日、ロンドンでイベント「Flutter Live '18」を開催。Dart言語用のUIツールキットである「Flutter」がバージョン1.0に到達、正式版としてリリースされたことを発表しました。
Flutterの対応言語であるDartは、もともと2011年にGoogleがJavaScriptの代替を目指す言語として開発したプログラミング言語でした。
2013年にバージョン1.0へ到達したDartはECMA Internationalで標準化を開始。いずれはChromeにDartVM搭載することを目論んでいましたが、Googleが期待したほどにはDartは普及せず、2015年にはChromeへのDartVMの搭載を断念。JavaScriptをターゲットとしたトランスパイラへと方向転換します。
しかしトランスパイラとしても成功したとは言えず、2017年にはTypeScriptがGoogle社内における標準言語の地位を獲得。Dartはこのままフェードアウトしていくのではないかと思われていました。
しかし2018年3月、GoogleのDart言語チームは突然「Dartを再起動する」としてDart 2を発表します。
Dart 2では型推論によってコードの品質を高める支援を行い、newやconstをオプションにすることで、より直接的にUIをコードで表現できるように強化されました。
そしてDart 2に対応したモバイルアプリケーション用のUIツールキット「Flutter」も発表されました。Dartの巻き返しが本格的に始まったのです。
Flutterは、iOSとAndroidのネイティブアプリケーションを開発するためのUIツールキットです。単一のソースコードで両方のアプリケーションを記述できることを大きな特徴としています。
美しいUI、高速な2Dグラフィックエンジン搭載など
Flutter Live '18では、Flutterの4つの特徴が示されました。
ピクセル単位で記述可能な能力を備えているため、デザイン面で妥協することなく、マテリアルデザインに対応した美しいユーザーインターフェイスを表現できます。
ハードウェアアクセラレーション対応の2Dグラフィックエンジンを搭載し、高速な画面描画を実現。ネイティブコードへコンパイルされるため、インタプリタや仮想マシンなどよりも高速なアプリケーションの実行が可能です。
コードの変更がすぐ反映されるステートフルホットリロード機能により、デザイナーとデベロッパーがリアルタイムに変更内容を確認できるため、高い開発生産性を実現します。
そしてFlutterはオープンソースで開発されているオープンなツールキットです。BSDライセンスで提供され、誰でも参照できます。
開発ツールとして、Visual Studio CodeやAndroid Studio、IntelliJなどが自由に選択できます。
SquareがFlutter対応の決済用SDKを発表
Flutter 1.0のリリースにあわせて、モバイルデバイスに決済機能を提供しているSquareがFlutter対応の2つのSDKを発表しました。
「Reader SKD」は、Squreのクレジットカードリーダーを利用するためのSDK。「In-App Paymet SDK」はアプリケーション内で決済を行うためにSDKです。
これによってFlutterとSquareを使って、iOSやAndroidに対応した店舗向けの決済アプリケーションなどを容易に開発できるようになります。
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