「AWS Auto Scaling」が機能強化、基本的な設定をするだけで自動的にポリシー生成、導入が簡単に
AWSは以前からスケーラブルなアプリケーションを実現するためのサービス「AWS Auto Scaling」を提供してきました。稼働中のサーバの負荷が高まると、自動的に新たなサーバを立ち上げて負荷を分散し、サーバの負荷が減ればサーバの台数を減らす、といった設定をあらかじめしておくことで、スケールアウトとスケールインを自動化するためのサービスです。
AWS News Blogに投稿された記事「New AWS Auto Scaling – Unified Scaling For Your Cloud Applicationsによると、このAWS Auto Scalingの機能が強化され、これまで必要だった複雑な設定が大幅に簡素化され、使いやすくなったと紹介されています。
下記に引用する記事の説明によると、ユーザーは基本的な項目を設定するだけで、あとはAuto Scalingが複雑な設定を自動生成してくれるとされています。
You no longer need to set up alarms and scaling actions for each resource and each service. Instead, you simply point AWS Auto Scaling at your application and select the services and resources of interest. Then you select the desired scaling option for each one, and AWS Auto Scaling will do the rest, helping you to discover the scalable resources and then creating a scaling plan that addresses the resources of interest.
アラームやスケールのためのアクション(scaling actions)をリソースやサービスごとに設定する必要はなくなりました。その代わり、アプリケーションでAWS Auto Scalingを指定し、対象となるサービスやリソースを選択します。そしてそれぞれに適したスケーリングオプションを選択すれば、あとはAWS Aut Scalingがやってくれます。あなたの代わりにスケーラブルなリソースを見つけ、対象となるリソースを設定するスケーリングプランを作成するのです。
サーバ台数などのリソースに余裕を持つことで可用性を重視するか、それともコストを優先してぎりぎりの台数で運用するか、あるいはその中間にするか、といったスケーリングのポリシーも設定できるとしています。以下はその設定画面。
In addition to optimizing for availability, cost, or a blend of both, you can also set a custom scaling threshold. In each case, AWS Auto Scaling will create scaling policies on your behalf, including appropriate upper and lower bounds for each resource.
さらに、可用性かコストか、もしくはその組み合わせに対する最適化も可能ですし、スケーリングの閾値をカスタマイズすることもできます。それぞれにおいて、AWS Auto Scalingはあなたに代わり、適切なリソースの上限値と下限値を含むスケーリングポリシーを作成します。
これまでAWS Auto Scalingは便利ではあるけれども複雑な設定を記述しなければならず、導入のハードルが高いものとされてきました。新しく強化されたAWS Auto Scalingはそうした課題を緩和したものになっているようです。
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