プライベートクラウドの国内市場規模、2022年には2017年の約5倍、2兆851億円に。パブリッククラウドの発展がプライベートクラウドの成長阻害要因にも。IDC Japan
調査会社のIDC Japanは、国内プライベートクラウドの市場予測を発表しました。
発表によると2017年から2022年の国内のプライベートクラウド市場は平均で毎年37.6%ずつ成長し、2022年の市場規模は2兆851億円になるとのこと。これは2017年の市場規模4223億円の約4.9倍となります。
現在、国内市場では「クラウドファースト」から「パブリッククラウドファースト」へと、クラウド戦略を変更する企業が増加していますが、IDC Japanはこの背景に、パブリッククラウドの「セキュリティ」に対する漠然とした懸念が解消されると共に、従来型ITからのパブリッククラウドへの移行を支援するツールやサービスの拡充などがあるとしています。
これまでの国内市場ではパブリッククラウドとプライベートクラウドは「補完」しながら、国内クラウド市場の成長を促してきましたが、パブリッククラウドの発展が、プライベートクラウド市場の成長を阻害する要因へと変化しているとも分析しています。
今後プライベートクラウドの重要性が高まる分野として、複数のクラウドを運用管理するハイブリッドクラウドにおいて、高い柔軟性を有するプライベートクラウドが運用管理の効率化やガバナンス/セキュリティの強化の核になることが期待されているとのこと。
「人の知見/労働力を活用すれば運用管理の柔軟性を高めることは可能である。しかし、運用管理の効率化や、ガバナンス/セキュリティを強化するためには、ソフトウェアを活用した自動化は欠かせない。また、運用管理だけではなく、開発の自動化を合せて強化することがベンダーには求められている」と、IDC Japan ITサービス リサーチディレクターである松本聡氏は分析しています。
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