Bash on Windows/Windows Subsystem for Linuxがベータ版を卒業、正式版に。今秋のWindows 10 Fall Creators Updateで
Windows 10でLinux互換機能を提供するWindows Subsystem for Linux(WSL)が、この秋に提供予定のWindows 10の大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」で正式版になることが発表されました。現在はベータ版として提供されています。
一般ユーザーに先行して新しいアップデートを適用するWindows Insderプログラムのユーザーは、「Insider build 16251」から正式版になることも告知されています。
ただし正式版になったことで起こる目に見える変化は、以下のダイアログから「Beta」の文字がなくなったことだそうです。
WindowsにLinux互換機能を提供するWindows Subsystem for Linux
Windows Subsystem for Linuxは、Windows上でLinuxのBashを利用可能にする「Bash on Windows」の基盤にもなっているソフトウェア。
WindowsのNTカーネルでLinuxカーネルをエミュレーションするためのレイヤを提供し、WindowsでLinux互換機能を実現。このレイヤの上で本物のUbuntuとBashなどが稼働し、Linuxアプリケーションを実行可能にする環境が構築されます。
Windows Subsystem for Linuxは1MBに満たない小さなコードでできていると説明されています。
当初、Windows Subsystem for LinuxでサポートしているLinuxディストリビューションはUbuntuのみでしたが、2017年5月にはUbuntuに加えてFedoraとOpenSUSEに対応が広がっています。
また実行可能なアプリケーションはNode.js、Python、Rubyなどに加えJavaなど、Linuxの互換性が高まるにつれて増えています。今後OpenCLのサポートによりTensorFlowなども実行可能にするとのこと。
Windows ServerにもWindows Subsystem for Linux搭載
2017年5月にはWindows ServerにもWindows Subsystem for Linuxが搭載されると発表されているため、今後はWindows 10とWindows Serverの両方がLinux互換機能を備えることになっていきます。
Windows Subsystem for Linuxが正式版になったことはWindowsがLinux互換機能を正式に備え、サポート対象になったことを意味します。マイクロソフトはWindowsを、WindowsだけでなくWindowsとLinuxのどちらのバイナリであっても開発、実行できるプラットフォームへするべく本気で前進しているのです。
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