マイクロソフト、次期SQL Serverとなる「SQL Server 2017」発表。DBMS内でTensorFlowやCNTKなどのディープラーニングを実行可能に
マイクロソフトはSQL Server 2017を発表した。最大の特徴はSQLクエリにPythonを組み込めるため、ストアドプロシージャのなかでTensorFlowやCNTKといったディープラーニングライブラリが実行可能になったことだ。
マイクロソフトは4月19日(日本時間4月20日未明)に開催したオンラインイベント「Microsoft Data Amp 2017」において、次期SQL Serverとなる「SQL Server 2017」を発表しました。
SQL Server 2017ではグラフオブジェクト対応、過去の処理から学んで自己チューニングするAdaptive Query Processing、SQLクエリにPythonやRを組み込めるなどの新機能を備えています。Windows版とDocker対応を含むLinux版が同時にリリース予定です。リリース時期は未定。
グラフオブジェクトとクエリに対応したことで、ソーシャルネットワークの分析やIoTネットワークのモデリングなど、これまでのリレーショナルデータベースでは困難だった処理が容易になります。
ストアドプロシージャでディープラーニングを実行可能に
新機能のなかでも最大の特徴は、SQLクエリにPythonを組み込むことが可能になり、ストアドプロシージャのなかでTensorFlowやCNTKといったディープラーニングライブラリが実行可能になったことです。
マイクロソフトはSQL Serverとディープラーニングを組み合わせたデモとして、肺がん検診によって撮影されたCTスキャンの映像をSQL Serverに格納し、この画像をCNTKを用いたディープラーニングの処理をGPUを用いて高速に実行、分析し、将来肺がんになる確率を示すというアプリケーションを紹介しました。
これによって、DBMSが備えているデータに対するセキュリティやコンプライアンス対応機能などを活用して健康診断データなどのセンシティブなデータを安全に扱えるというメリットを得つつ、ディープラーニングで結果を得るアプリケーションを、SQL Serverをプラットフォームとして実現できることを示しました。
同社はSQL Server 2017を、商用データベースとしてはじめてAIと統合されたRDBMSだとしています。
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