ソラコム、利用開始後のSIMでも休止期間は利用料無料にするIoT向けの新料金体系など発表
ソラコムは、携帯通信網を利用するSIMを休止状態にすることで、休止期間は料金が発生しないIoT向けの新しい料金体系を発表。製品に組み込んだSIMの疎通確認などに有用とされる。
IoTプラットフォームを提供するソラコムは、いちど利用を開始し料金が発生し始めたSIMをいったん休止状態にすることで、休止期間中は料金が発生しないといったIoT向けの新しい料金体系を発表しました。
IoT機器の在庫期間にコストが発生しなくなった
これまでの料金体系ではSIMの利用をいったん開始すると、通信を行わなくとも月額の基本料金が発生する料金体系でした。
この場合、SIMを組み込んだIoT機器を製造販売するベンダは、出荷前に疎通確認のためにSIMの利用を開始するとその時点からSIMの月額基本料金が発生するため、在庫として保管していても、あるいは納品後に顧客が利用を開始していなくともコストが発生していました。
新料金体系では、疎通確認のあとSIMを休止状態にすることで、基本料金が発生しない選択肢が追加されました。これによって在庫や利用前の期間のコストが発生しなくなりました。
ソラコムが独自にSIMの認証機能などをクラウドへ実装
こうした柔軟な料金体系の実現に寄与したのが、ソラコムが同時に発表した「加入者管理機能」の実装です。
一般に、SIMの発行元である移動体通信事業者がSIMの認証やそれに関連するデータベースの管理などを行っているため、認証や認証後の保持にかかわるコストなどは移動体通信事業者が管理しています。
しかし今回、ソラコムはこのSIMの認証やそれに関連するデータベースなどを自社でクラウド上に構築したことを合わせて発表し、その機能を利用者にも提供しています。
これによりソラコムが以前より柔軟にSIMにかかるコストを管理できるようになり、SIMの休止状態における無料期間の提供もこれによって実現したと同社は説明しています。
チップ型SIMの提供も開始
ソラコムはチップ型SIMの提供開始も同時に発表しました。
これも自社でSIMの認証ができるようになったことで、SIMを自社で発行できるようになったことによるもの。
チップ型SIMは基板に直接実装できて大きさも非常に小さいため、ソケットなどが必要とされたカード型SIMと比べて堅牢で振動や衝撃、温度変化にも強く、より過酷な状況で利用されるIoT機器にも搭載可能となります。
グローバル向けAir SIMで利用可能
新料金体系や加入者管理機能、チップ型SIMなどは、ソラコムが提供するグローバル向けの「SORACOM Air for セルラー」で提供されます。グローバル向けには日本も含まれているため、日本国内でも利用可能です。
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