国内SD-WAN市場は5年で100倍以上拡大し、昨年の約4億円から2021年には504億円規模へ急成長。IDC Japan
調査会社のIDC Japanは、Software-Defined Wide Area Network(SD-WAN)に関する市場予測を発表しました。
SD-WANとは広域ネットワークに対してネットワーク仮想化技術などを用いることで、可用性や性能、運用管理性などを向上させ、コスト削減も実現するとされる新しい技術です。
IDC Japanによると、2016年の国内SD-WAN市場規模は約4億3000万円。同社はこの市場が5年で100倍以上に急拡大し、2021年には504億4000万円になると予測しています。
2016年の時点では、海外拠点を多く持ち、先進的なテクノロジーの採用に積極的なアーリーアダプター層の企業がSD-WANに関心を示し始めており、現在も案件の多くはPoC(Proof of Concept)の段階で、本番環境として採用する企業も出始めている段階だとIDC Japanは指摘。
SD-WANの市場が急速に拡大する要因として同社は、ビジネスの変化にWANを迅速に対応させることへのニーズの高まりや、WANに接続される機器/クラウドサービスの増加によるIT部門の負担増加などを挙げています。
また、通信事業者が提供するWANサービス市場において新たなSD-WANサービスによる顧客獲得競争が活発化することも、普及が加速する要因とのこと。
一方、SD-WANの阻害要因は、特に国内の中小拠点向けのWANソリューションとしてすでに安価で成熟した製品/サービスが数多く供給されており、これに対してSD-WANソリューションが相対的に高価であることなどが挙げられてます。しかし、このような国内環境に対応するために、比較的リーズナブルなSD-WANソリューションの提供が増え始めているとも同社は指摘しています。
IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの小野陽子氏は「企業の変化のスピードは速くなっている。また多様な機器がネットワークにつながるIoT(Internet of Things)を含め、デジタルトランスフォーメンション(DX)への取り組みが加速している。このような速い変化に、従来型の静的なWANの運用管理は対応できず、IT部門のネットワーク運用管理負担は増加しつつある。企業は、SD-WANという新しいネットワーク運用管理のパラダイムの導入が、こうした変化への対応を可能にする鍵であることを理解すべきである」と分析しています。
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