「Rust 1.19」リリース。union(共用体)をサポート
Rust開発チームは、Rust言語の最新版「Rust 1.19」のリリースを発表しました。
Rust言語はモジラが中心となってオープンソースで開発されているプログラミング言語です。C言語のように低レベルのシステム開発向けに作られた高速に実行できる言語ながら、不正なメモリ領域を指すポインターなどを許容しない安全なメモリ管理と、マルチスレッド実行においてデータ競合を排除した高い並列性を実現している点が特長です。
unionをサポート。Cとの相互運用性が向上
Rust 1.19では、union(共用体)がサポートされました。
union MyUnion {
f1: u32,
f2: f32,
}
unionはenumと似ていますが、enumはタグが付いているのに対し、unionはタグが省略されているなどの違いがあります。また、unionはCプログラムとの相互運用性の面で利点があると説明されています。CのAPIではunionを扱うことがあるためです。
適用分野が広がっているRust
MozillaはRustを用いて次世代の高速なブラウザエンジンである「Servo」を開発していることがよく知られていますが、最近ではRustの適用分野が広がりつつあります。
今年の1月に登場したRust 1.14では、Rustのソースコードからasm.jsやWebAssemblyを生成する機能が試験的に取り入れられました。
また、今月にはいってオラクルがRustでDockerコンテナのランタイム実装を発表しています。Rustの備えている安全なメモリ管理やシステム開発向けのプリミティブな言語の特徴などがランタイム実装に向いているとのことです。
いままでCやC++で開発されていた分野を中心に、今後さらにRustの適用が広がりそうです。
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