PhoneGap/CordovaがAPIの更新をめぐって意見を募集中。Web開発環境において、後方互換性の維持と最新の標準対応をどうバランスさせるか

HTML5やJavaScriptで開発するWebアプリケーションの開発環境として、これまで維持してきた後方互換性をどこまで守るのか、一方で最新の標準仕様にどこまで合わせていくのか。PhoneGap/Cordovaが開発者に意見を求めています。

2008年に登場したPhoneGapは、iOSやAndroid、Blackberryなどクロスプラットフォームに対応したモバイルアプリケーションをHTML5/CSS/JavaScriptといったWeb技術で開発できるフレームワークとして注目される存在です。2011年にはAdobeがPhoneGapを買収。その後、オープンソース実装としてApache Cordovaが登場しています。

PhoneGap/Cordovaはクロスプラットフォームに対応したモバイルアプリケーションのフレームワークとして、早い段階からモバイルデバイスのカメラの映像やGPSによる位置情報の取得機能など、先進的なWeb技術を積極的に先取りして実装していました。

そして後方互換性のためこのAPIを維持してきた結果、逆に現在ではこれらのAPIが最新のWeb標準とは異なるものになってきてしまったとのことです。

アドビのSimon MacDonald氏はこの状況について、PhoneGapのブログにポストした記事「Moving Forward」で次のように書いています。

Was it a mistake to implement these specifications before they were fully hardened? No, I don’t think so. Besides enabling a lot of users to create mobile applications the project was able to feed back valuable information to the W3C as to what worked and what didn’t work with some of the specifications.

そうした仕様が十分に固まる前に実装してしまったのは間違いだったのだろうか？ そうは思わない。多くのユーザーがモバイルアプリケーションの開発を実現しただけでなく、どういった仕様が有効であるか、有効でないかという貴重なフィードバックをW3Cに提供できたのだ。

しかしこの状況をこのまま放置しておくわけにもいかないということで、現在いくつかのAPIについて、更新するか、破棄するか、維持するか、意見を教えてほしいとSimon MacDonald氏。

Now we have embarked on an initiative to update all of the Apache Cordova and PhoneGap API’s to current W3C specifications. Please join us by commenting on the Core Plugin Audit Issue for Apache Cordova and creating issues on the PhoneGap PWA Plugin. We need your help to decide which plugins need to go away, which need to be updated, and which should be absorbed by the platform.

現在私たちは、Apache CordovaとPhoneGapのすべてのAPIを最新のW3C仕様に更新する取り組みに着手している。そこで、Apache CordovaのCore Plugin Audit IssueとPhoneGap PWA Pluginについてぜひコメントを寄せていただきたい。どのプラグインはいらないのか、どれを更新すべきか、どれはプラットフォームに取り込むべきか、決断するうえでの助言がほしいのだ。

締め切りは6月6日。当初はもう少し早い日付だったのですが、6月5日にアップルがWWDCを開催するとみんなそこに目が釘付けになってしまうので、それが終わるまで延期したとのことです。