インテルとオラクル、不揮発性メモリを用いたインメモリデータベースをデモ、劇的な高速化をアピール。Oracle OpenWorld 2017
インテルとオラクルは、インテルが新しく開発した不揮発性メモリ「Intel Persistent Memory」を用いたインメモリデータベースのデモを、サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld 2017」で披露しました。
3日前に発表された「Oracle Database 18c」はNVRAM(不揮発性メモリ)対応とされており、Oracle Database 18cとIntel Persistent Memoryの組み合わせで低コストで劇的にデータベース性能を向上できることをアピールしました。
DRAMよりも安価なIntel Persistent Memory
インメモリデータベースはメインメモリにデータベースを保持することで高速なデータベース処理を実現できる一方、サーバに大容量のメインメモリを搭載する必要があるためハードウェアコストが上昇するという課題があります。
インテルが開発した新しい不揮発性メモリである「3D XPoint」をベースにした「Intel Persistent Memory」は、容量あたりの価格がDRAMよりも安価であることから、低コストで大容量のメインメモリを実現し、インメモリデータベース性能を押し上げることが期待されています。
インテルとオラクルが、「Intel Persistent Memory」を用いて行ったインメモリデータベースのデモは、そうした期待を裏付けるものでした。
Oracle 18cはNVRAMレディとして出荷される
デモで示された下記のグラフは、3テラバイトのデータベースに対して、上半分が1.5テラバイトのDRAMと1.5テラバイトの「Intel Persistent Memory」、合計3テラバイトのメインメモリを搭載したマシンのクエリの処理時間を示しています。
グラフの下半分は1.5テラバイトのDRAMだけを搭載したマシンのクエリの処理時間を示しています。
DRAMとIntel Persistent Memoryを組み合わせたマシンのクエリの方が圧倒的に短時間で終了していることが分かります。
Intel Persistent Memoryに代表される不揮発性メモリは一般にDRAMよりアクセスが遅いため、DRAMと組み合わせてインメモリデータベースの処理を行うには、データベース内部でのDRAMとの使い分けやチューニングが必要とされます。
オラクル バイスプレジデント Juan Loaiza氏は、Oracle 18cではそうした不揮発性メモリに特化した最適化が行われており、出荷の時点で不揮発性メモリ(NVRAM)レディだと説明しました。
ExadataもIntel Persistent Memory対応に
データベースマシンであるExadataにIntel Persistent Memoryを搭載したデモも行われました。
下記のグラフは、黒い針がDRAMのみ搭載のExadataの性能を、白い針がDRAMとIntel Persistent Memoryを搭載したExadataの性能を示しています。
Intel Persistent Memoryを搭載したExadataのほうがレイテンシは非常に小さく、IOPsは約2倍ほど大きく、劇的な性能差があることが示されました。
不揮発性メモリのメインメモリ利用がはじまるか
Intel Persistent Memoryに代表される不揮発性メモリは、そのままDRAMと置き換えて使えるものではなく、OSやアプリケーションの対応があってはじめて活用されるものです。
Oracle Databaseのようなメジャーなアプリケーションが不揮発性メモリをサポートすることは、不揮発性メモリのエンタープライズ分野での普及にとって大きな後押しになると考えられます。
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