会社が倒産してオープンソースとなったNoSQL「RethinkDB」。最初のオープンソース版「RethinkDB 2.3.6」が公開
RethinkDBは同名の企業ReghinkDB社が開発していたNoSQLデータベースで、JSON形式を処理できる高速な分散データベースとしてモバイルアプリケーションのバックエンドやリアルタイムデータ処理などを得意としていました。
しかし残念ながらビジネス面で成功できず、同社は2016年10月に倒産。2017年2月には、同社のコードやドキュメント、トレードマークなどの知的財産が、Kubernetesの開発などを主導するCloud Native Computing Foundationに買い取られ、Apache Licenseにライセンスし直されてオープンソース化されることが発表されました。
そして7月17日付けで、オープンソース化されてはじめてコミュニティによって開発が進められた最初のバージョンとなる「RethinkDB 2.3.6」が公開されました。
RethinkDB開発コミュニティの一員であるRyan Paul氏は、RethinkDB 2.3.6のリリースを発表したブログで、オープンソース版RethinkDBの開発には同社の元従業員も関わっていると次のように書いています。
After the company behind RethinkDB shut down last year, a group of community members and former employees devised a transition plan to ensure that the database would live on as an open source software project.
RethinkDBの開発元が昨年倒産した後、コミュニティメンバーと元従業員らは、このデータベースがオープンソースソフトウェアのプロジェクトとして生き続けられるよう、移行プランについて検討してきた。
RethinkDBがオープンソース化されると決まった後には、コミュニティによる貢献がしやすいようにコードを改善することも優先事項のひとつだと説明されていました。
あらためてRethinkDBの主要な特徴をまとめると、次のようなものになります。
- JSONドキュメントを保存可能なNoSQLデータベース
- スケーラブルな分散データベース機能
- 自動フェイルオーバーなどを備えた高可用性を実現
今回のバージョン2.3.6は既存のRethink 2.3.xと互換性を保ちつつ、WebUIの改善やいくつかのバグフィクスなどを行ったものです。
次のバージョンアップはRethinkDB 2.4になる予定で、新機能の追加などが行われるとされています。
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