クラウドの仮想マシンの上に仮想マシンを作れる、Nested Virtualizationに対応した新型VMをMicrosoft Azureがリリース
マイクロソフトは、Microsoft Azureで提供される仮想マシンの上にさらにHyper-Vを載せて仮想マシンを作れる新しいVMタイプ「Dv3」と「Ev3」が利用可能になったことを発表しました。
一般にクラウドで提供される仮想マシンは、すでにクラウド側で物理マシン上にハイパーバイザが展開され、そこで作成された仮想マシンが利用者に提供されるものです。そして利用者はクラウドから提供された仮想マシンにさらに仮想化ハイパーバイザを載せて複数の仮想マシンに分割して利用するといったことはできませんでした。
しかしマイクロソフトが発表したMicrosoft Azureで提供される新しいタイプの仮想マシン「Dv3」と「Ev3」は、仮想マシンの上にさらに仮想化ハイパーバイザを載せることを可能にするNested Virtualizationに対応。利用者はクラウドから提供された仮想マシンの上に仮想化ハイパーバイザを載せて、仮想マシンをさらに仮想化することが可能になりました。
これによってクラウドの管理に依存せず、利用者自身が管理できる仮想化ハイパーバイザを利用できるようになるため、その上に生成される仮想マシンをより柔軟にコントロールできるようになります。
もちろん、クラウドで提供された仮想マシンを上の図のようにさらに複数の仮想マシンに切り出して、それぞれ別のOSを利用することも可能です。また、コンテナ型仮想化であるHyper-V Isolation機能を利用することも可能。
例えば複数の開発環境やテスト環境、実験環境などを頻繁に入れ替える、といった用途などで便利に使えそうです。
Nested Virtualizationで利用可能な仮想化ハイパーバイザはHyper-Vのみ。
Nested Virtualizationに対応した新型仮想マシンの「Dv3」と「Ev3」は、プロセッサにBroadwell E5-2673 v4 2.3GHzとHaswell 2.4 GHz E5-2673を採用。ハイパースレッディングが有効になり、物理コアから仮想コアへとベースが変更されたことで、より効率的にプロセッサのパワーを利用することが可能になると説明されています。
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