Mozilla Japanは「WebDINO Japan」に。Mozillaの公式支部という立場を離れ、Webブラウザなどに対してニュートラルな立場へ。その理由を広報に聞いた
Mozilla Foundationの公式支部として2004年に設立された「一般社団法人Mozilla Japan」が、「一般社団法人WebDINO Japan」へ名称変更することを発表しました。
これに合わせて同社はMozillaの公式支部という立場から離れ、同時にWebブラウザなどに対してもニュートラルな姿勢をとるようになることも明らかにしました。
「これまでの経験からGeckoやMozilla関連には強みはございますが、ブラウザ技術全般を広める中立的な立場を取っていく予定です」(同社 広報担当)。
そのうえで、Web技術のさらなる普及、ソフトウェア分野以外の多様な領域でのオープンソース手法の活用拡大などを軸にしたコンサルティング業務や技術開発支援、コミュニティ支援、教育など、より幅広い活動をしていくと説明しています。
今後の日本におけるFirefoxの配布やMozilla製品に関する公式情報の提供は米国Mozillaの公式サイトの下で引き継がれることになり、WebDINOのスタッフは(WebDINOとしてではなく)Mozillaコミュニティの一員として情報発信などの分野で貢献していくとのことです。
「日本語での情報は、今後、WebDINO Japanとしてではなく、日本のコミュニティとして発信していくことになります。Mozilla JapanのスタッフもMozillaのコミュニティの一員として情報発信などの部分に貢献していく予定です」(同社 広報担当)
名称変更はMozilla Japanにだけ起きたことなのか?
今回の名称変更はMozilla Japanだけに起きたことなのか、海外のMozilla支部は名称変更などをしていないのかどうか、同社広報に問い合わせたところ、次のような説明をいただきました。
まず、Mozilla Japanと同時期に設立されたMozilla Europeなどの組織は現時点ではすでに存在しておらず、日本のMozilla Japanのほかに「特定のロケールに向けてMozillaのマーケティング活動を行う各国固有の公式支部というものは他にございません」(同社 広報担当)。
現在は2005年に設立されたMozilla CorporationがMozillaに関するグローバルなマーケティング活動を世界中のコミュニティとともに進めており、日本のマーケットに向けて活動を行っているMozilla Japanは、Mozillaの中では特殊な存在として設立当時のままの立ち位置で存在していたとのこと。
「そうした中、Mozilla Japanという組織が、これからは明確にMozillaの外部組織として活動すべきというMozilla Corporationによる判断から、協議の上でMozilla Japanの組織名を変更することとなりました」(同社 広報担当)
つまり、Mozilla Japanの活動はMozillaからすると例外的なものであり、それをグローバルな状態に合わせていったというのが今回の名称変更の理由であるようです。
Publickeyでは同時に、Mozilla JapanからWebDINOへ名称変更することで組織の収益構造や人数に変化はあるのかについても質問をしましたが、それらは非公開のため回答を差し控えるとのことでした。
あわせて読みたい
シスコ、マイクロソフトとの協業でホワイトボックススイッチ用レイヤの「SAI」をNexus 9200/9300スイッチで対応。マイクロソフトは自社Linux OSを搭載か?
≪前の記事
AWS CodeBuildとAWS CodeStarがオープンソースの.NET Coreに対応。.NET Core対応言語で開発されたアプリのビルド、継続的デプロイなどが可能に