経産省、IT人材のさまざまな属性別給与水準に関する初の大規模な公的調査の結果公表。職種別の平均年収トップはコンサルタント。年収が高いほど残業と勉強時間が長く
経済産業省は、「IT人材に関する業種別・職種別・レベル別等の属性別の給与水準の実態を、公的調査として初めて大規模に把握」した調査結果を公表しました。
調査の背景として、IT関連産業は今後大きく成長を期待されているにもかかわらず人材不足が大きな課題として指摘されており、とくに昨年の経済産業省の調査では米国の半分程度の給与水準となっているなど給与などに対する不満が多いことが挙げられています。
そこで、優秀な人材の獲得に大きな影響を与える企業の給与制度等の実態と課題を取りまとめたほか、日本のIT関連産業が今後目指すべき方向性を提示したのがこの結果発表の主旨だと、経済産業省は説明しています。
結果を示した資料は次の7章から構成されています。
<1> 調査の背景と趣旨
<2> IT人材の給与水準の実態
<3> IT関連企業の給与制度及び人事評価制度の実態と課題
<4> IT関連企業における採用の実態と課題
<5> IT人材の残業時間と勉強時間
<6> IT関連企業における兼業・副業の実態
<7> 調査詳細
本記事では上記の中から注目すべき内容として、給与水準の実体と残業時間と勉強時間について引用し、まとめました。
図については限られたWebページの画面内で見やすいように、オリジナルの情報を改変しないようにしつつ一部の切り取りや縮小、加工などをしています。
IT関連産業における職種別やスキル別の平均年収
IT関連産業における給与水準を初給種別に示したグラフでは、年収の平均がもっとも高いのがコンサルタントで928.5万円、次がプロジェクトマネージャで891.5万円、3番目が営業・マーケティングで783.3万円、4番目が高度SE・ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)で778.2万円、5番目がIT技術スペシャリスト(DBやネットワーク、セキュリティなどの専門家)で758.2万円となっています。
また、図の右側の濃い青のマーカーがインターネット関連企業における職業別の平均年収を示していますが、多少のでこぼこはありつつも、年収がやや低い傾向が見られるようです。
スキル標準レベルごとに給与水準を見てみると、スキル標準のレベルが上がるほど年収も高くなる傾向があり、特にレベル1からレベル3の上昇率に比べるとレベル4以降の上昇率が高くなっていることが指摘されています。
レベル6やレベル7の、国内外で著名なレベルでは年収1000万円を超えています。
下記は昨年行われた前回調査の結果ですが、米国との比較です。米国では平均給与および最小値と最大値の幅が大きくなっています。また平均給与では30代がもっとも高い点も注目されます。
スキルが高いエンジニアほど残業時間と勉強時間が長い
スキル標準レベルおよび年収別に見た残業時間と勉強時間のグラフは、興味深い結果を示しています。スキルが高いエンジニアほど残業時間と勉強時間が長くなっているのです。
同様に、年収が高くなるにつれて残業時間と勉強時間が長くなっている傾向も見られます。
詳細はぜひ経済産業省発表の資料をご覧ください。
参照
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