ソラコム、LoRaWAN通信サービスを国内で正式に開始。免許不要、数キロ先まで無線通信、乾電池で数年稼働のIoT向け通信。デバイスとサービスを展開
IoT向けのサービス基盤を提供するソラコムは、新しい通信規格であるLoRaWAN(ローラワンと呼称するのが一般的なようです)のサービスを正式に開始することを発表しました。
LoRaWANとは無線通信の一種。無線LANとして普及しているWi-Fi通信のように、通信機器の設置や利用には基本的に免許などが不要で誰でも利用できます。しかも通信デバイスからの電波は数キロから十数キロ程度先にあるゲートウェイにまで届くとされており、屋外の広い範囲も簡単にカバーできるのが特長。低消費電力のため通信デバイスは乾電池でも数年間は稼働するとされています。
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ソラコムはこれまで、NTTドコモなどのキャリア回線を利用することで同社のSORACOM AirなどのIoT向け通信サービスを提供してきました。今回これに新しくLoRaWAN対応の「SORACOM Air for LoRaWAN」が加わります。
また、キャリア回線で提供されてきた従来のSORACOM Airはこれに合わせて「SORACOM Air for セルラー」に名称変更されます。
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SORACOM Air for LoRaWAN経由で届いたデータは、SORACOM Beamによるプロトコル変換や接続先の指定、SORACOM Funnelのアダプタ経由でのクラウドサービスとの接続などに加え、SORACOM Harvestにより簡単にデータを蓄積、分析可能。
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SORACOM Air for LoRaWANの利用はゲートウェイの購入費用を含む初期費用が1ゲートウェイあたり6万9800円、月額利用料金が3万9800円、2台目以降は2万9800円。ゲートウェイデバイスからSORACOMのクラウドまでの通信費用はSORACOMが負担。
ゲートウェイもデバイスも、SORACOMのコンソールから発注できるようになっています(ゲートウェイやデバイスの発送は3月より順次開始)。
数キロ四方の距離を安価にカバーできるLoRaWAN
LoRaWANを利用するメリットは、数キロ四方の幅広い面積をカバーしつつ従来のキャリア回線を利用するよりも通信コストを下げられ、また乾電池で動作するような安価な通信デバイスが選択可能なところにあります。
下記はソラコムによるLoRaWANでのコストの見積もりです。デバイスあたりのトータルコストが月額で100円を切るケースもあります。
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ソラコムはさらに、LoRaWANゲートウェイをパブリックに解放することで、ゲートウェイを所有しない利用者であってもLoRaWANデバイスでSORACOMを利用できる「SORACOM LoRa Space」もあわせて発表しました。これによって限られた電波資源を効率的に利用でき、また利用者がより安価にLoRaWANを利用する価格モデルを選択できるようになっています。
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