インテル、たぶんこれが最後のItanium。Itanium 9700シリーズ「Kittson」を今年第2四半期に出荷すると発表

2017年5月16日

インテルはミッションクリティカルなサーバ向けのプロセッサ「Itanium」シリーズの最新版「Itanium 9700」シリーズ(コード名“Kittson”)の製品情報を公開し、出荷時期が2017年第2四半期であることを明らかにしました。

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Kittsonは、2012年に発表されたItanium 9500シリーズ(コード名“Poulson”)以来、5年ぶりとなるItaniumの新プロセッサです。しかし、インテルのプロセッサロードマップには“Kittson”以降のItaniumプロセッサのコード名は登場しておらず、おそらくこのKittsonがItaniumプロセッサシリーズ最後のプロセッサになると見られています。

海外のメディアもKittsonが最後のItaniumプロセッサになるだろうと報道しています。

「Itanium」は1990年台にインテルとヒューレット・パッカード(当時)が共同で開発した64ビットアーキテクチャのプロセッサでした。2001年に最初の製品が登場しましたが、高い性能を期待されつつも当時普及していたIA32ベースのソフトウェアの性能が十分でないなどの理由から普及せず、64ビットアーキテクチャのプロセッサの主流の座をあとから登場した64ビット版のXeonプロセッサに奪われます。

そのため当初はItanium用のWindows Serverを提供していたマイクロソフトや、Itanium用のOracle Databaseを提供していたオラクルなどが相次いでItanium用ソフトウェアから撤退。ハードウェアに関しても、現在Itaniumを搭載したサーバを提供しているハードウェアベンダは事実上ヒューレット・パッカード・エンタープライズのみとなっています。

そのヒューレット・パッカード・エンタープライズも、Itaniumプロセッサを搭載した基幹業務向けのハイエンドサーバ「Superdome」シリーズと無停止型サーバ「NonStop」シリーズのどちらも、2014年にXeonプロセッサを搭載した新機種を発表。Itaniumプロセッサへの依存を解消しつつあります。

もちろん、これですぐにItanium系サーバがなくなっていくことはないでしょう。ヒューレット・パッカード・エンタープライズは今回のKittsonに対応した新型サーバを発表するはずですし、少なくとも2025年までItanium製品を維持すると報道されています。それらを考慮すると、おそらくこれから約10年ほどかけて、Itaniumは市場から少しずつ消えていくことになるのではないでしょうか。

参考:日本HP、Xeonプロセッサを採用した無停止サーバ「HP Integrity NonStop X」発表
参考:メインフレーム級のx86サーバ「HPE Superdome Flex Server」登場。最大32ソケット/896コア、メモリ48テラバイト搭載

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