退任するHPEのメグ・ホイットマンCEO、事実上最後のイベント登壇。「Discover 2017 Madrid」でお別れの挨拶
来年1月末で米ヒューレット・パッカード・エンタープライズのCEOを退任するメグ・ホイットマン氏。
彼女にとって、11月28日から30日のあいだスペイン マドリードで同社が開催したイベント「Discover 2017 Madrid」が、CEOとして登場する事実上最後の機会となりました。
メグ・ホイットマン氏の退任は、2週間ほど前の11月21日に発表されたばかり。1月末でCEOを退任し、2月1日からは現在社長(プレジデント)のアントニオ・ネリ氏が社長兼CEOとなります。
HPをコンシューマとエンタープライズの2つの企業に分割
ホイットマン氏は2011年にレオ・アポテカーCEOの後任として、ヒューレット・パッカード(以下HP)のプレジデント兼CEOに就任しました。
当時のHPは、アポテカー氏、その前任のマーク・ハード氏ともに十分な実績を上げられずに退任しており、ホイットマン氏の就任には期待がかけられていた一方、プロクター・アンド・ギャンプルやeBayなどコンシューマ分野しか経験のない同氏の経歴からCEOとしての能力に懐疑的な声もありました。
2011年の就任から退任発表のあいだ、ホイットマン氏のもっとも目立った仕事はおそらく2015年に行われた企業分割でしょう。
HPは、2015年11月1日付けでサーバやストレージなどのエンタープライズ向け事業を行う「Hewlett Packard Enterprise」(HPE)と、PCやプリンタなどの事業を行う「HP Inc.」(HP)の2社に分かれました。
分社化の方針はホイットマン氏のCEO就任以前に示されていたもので、ホイットマン氏も就任時に分社化の方針はそのまま踏襲することを表明していました。ホイットマン氏はその方針を実現する役割を果たしたと言えます。
一方でホイットマン氏は目立った業績の向上を見せることはできず、IT業界の大きなトレンドであるパブリッククラウドへ参入するも2015年には自社のパブリッククラウドサービスからは撤退を表明。
2017年10月にはパブリッククラウド向けのコモディティサーバ販売からの撤退も表明するなど、クラウド市場での存在感を見せられずにいます。
2018年2月1日から社長兼CEOとなるアントニオ・ネリ(Antonio Neri)氏は、エンジニアとしての経験を持つため、ホイットマン氏と比較して技術に明るいCEOになると見られます。
「Discover 2017 Madrid」の基調講演は、退任するホイットマン氏が聴衆に向かって感謝の意を表し、後任となるネリ氏がホイットマン氏をねぎらうシーンで幕を閉じました。
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