Google、クラウド内部のネットワーク機構をアップデート「Andromeda 2.1」に。レイテンシが40%改善し高速化
Google Cloud Platformでは、クラウド内部のネットワークを「Andromeda」と呼ばれる、独自に開発したSoftware-Defined Networkの仕組みで構築しています。
Andromedaは中央のコントローラからNICやスイッチ、ルータなどを制御し、物理ネットワークの上に仮想ネットワークを構築。ルーティングやファイアウォール、セグメントの分離などとともに仮想マシンやストレージを自由自在に接続します。
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GoogleはこのAndromedaを「Andromeda 2.1」にアップデートし、前バージョンのAndromeda 2.0と比較して最大40%のレイテンシ削減を実現したと明らかにしました。
これによってアプリケーションの性能にとって高速な通信が重要となる金融系のトランザクション処理、動画やゲーム、HTTPベースで通信を行うマイクロサービスアプリケーションなどで大きな性能向上が果たせるだろうとしています。
仮想マシンが直接Andromedaスイッチと通信
Googleの説明によると、Andromeda 2.0では仮想化ハイパーバイザのスレッドがブリッジとなり、仮想マシンAndromedaのソフトウェアスイッチのあいだを結んでいる仕組みになっていました。
これはパケットをやりとりするたびにスレッド処理が走るだけでなく、このスレッドはたびたびスケジューリングから解除されるため、多くの場合スレッドが起動されるのを待たなければなりませんでした。
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Android 2.1ではこの仕組みを見直し、仮想マシンが直接Andromedaのソフトウェアスイッチと通信するようになりました。これによってレイテンシが40%改善し、より高速な通信が実現しています。
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