Google Cloud Platformのネットワーク品質区分が新設。現行のGoogle品質「Premium Tier」と、他社並とする「Standard Tier」で選択可能に
GoogleはGoogle Cloud Platformで利用可能なネットワーク品質を区分する「Network Service Tiers」を発表しました。
Network Service Tiersでは2つの区分が用意されています。ひとつは現在Google Cloud Platformで全ユーザーが利用している「Premium Tier」。もうひとつは新たに新設され、同社が「他のクラウドプロバイダー並みの品質」と説明する「Standard Tier」です。
両者の違いを手短にまとめると、Premium TierはGoogleが構築したグローバルなプライベートネットワークを利用するため高速かつ高品質。Standard Tierは一般のインターネットサービスプロバイダを利用することで、標準的な品質で低価格を提供する、となります。
Network Service Tiersの新設には、Google Cloud Platformでより低価格なクラウド利用プランを提供するとともに、同社のネットワークの優位性を明確にアピールするという2つの狙いがあると考えられます。
Premium Tierは、Googleのプライベートネットワークを経由
Network Service Tiersのページから、もう少しPremium TierとStandard Tierの特長を見ていきましょう。
Premium Tierは「利用者に、とりわけ高性能なネットワーク体験をGoogleのグローバルネットワークを用いることで提供する」(Give users exceptional high performing network experience by using Google’s global network.)と説明されています。
下図の左がGoogle Cloud Platformで、そこからGoogleのグローバルネットワークを経由してユーザーにもっとも近いPoP(Point Of Presence)経由でユーザーへ接続するようになっています。
Googleは広帯域かつ低レイテンシな独自のグローバルネットワークを自社で構築しています。もちろんルーティング、ロードバランシングなどのトラフィックコントロールも自社で管理しているため、安定した高品質なネットワークが提供できるとされています。
Standard Tierはリージョンからすぐ一般のISP経由でユーザーに接続
Standard Tierは、「ネットワークのコストを制御しつつ、他社クラウドプロバイダー並みのネットワークパフォーマンスを提供する」(Get control over network costs, while still delivering performance comparable with other cloud providers.)と説明されています。
下図のようにGoogle Cloud Platformのリージョンからもっとも近いPoP経由でインターネットサービスプロバイダに接続。そこから一般的なインターネットを経路してユーザーに接続されます。
Netwrok Serviceはアルファ版としてサインアップによる提供が開始されています。
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