Google、「Chrome Enterprise」発表。企業向けにChromebookでActive Directory、シングルサインオン、VMware Workspace ONE対応など
Googleは、Chrome OSをベースとした企業向けサービス「Chrome Enterprise」を発表しました。
Chrome OSはGoogleがLinuxをベースに開発したOSです。WebブラウザおよびWebアプリケーションの実行に最適化されているため、シンプルかつセキュアな構造で、高速に起動することなどを特長としています。
また、暗号化のためのTPMチップやセキュリティが保たれていることを確認できるベリファイドブート機能、脅威を封じ込めるためのサンドボックス機能、データ保護のためのディスク全体の暗号化など、企業での利用においても有効なセキュリティ機能が多数含まれています。
Googleは2011年に、このChrome OSを搭載したマシン「Chromebook」を発表しました。2014年にはChromebookを企業で使うためのプログラム「Chromebooks for Work」を立ち上げました。
今回発表されたChrome Enterpriseは、この企業向けプログラムであるChromebooks for Workを発展させたものといえるでしょう。
Active DirectoryやVMware Workspace ONEなどに対応
従来のChrome OSの機能と、Chrome Enterpriseで提供される機能の比較表をGoogleが公開しています。企業向けに大きな特長といえるのは、Active Directoryとシングルサインオンのサポート、そしてVMware Workspace ONE対応などでしょう。
Active Directory対応によって、Chromeのユーザー認証などをActive Directoryで一元管理できるようになります。
VMware Workspace ONEは、VMwareが提供するデバイス管理やアプリケーション配信を行うサービスです。Chrome OSデバイスを集中管理でき、BYODを実現。また、情報部門があらかじめ用意したアプリケーションカタログから、WordやExcelといったデスクトップアプリケーションや業務アプリケーションなどをさまざまなデバイスへ配信し、利用可能にします。
これによりChromebookで、従来のデスクトップアプリケーションや業務アプリケーションをそのまま利用できるようになります。つまり企業にとって、例えば現在使っているOutlookやExcel、WordなどのアプリケーションをGmailやGoogle Docsなどに移行しなくとも、Chromebook環境へ移行できることになります。
Chrome Enterpriseの価格は、デバイスあたり年間50ドルです。
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