GitLab、Slackライクなサービス「Gitter」をオープンソースで公開。MacOS対応。Windows版とLinux版も作業中
ソースコード管理サービスを提供するGitLabは、GitHubなどに対応する開発者向けチャットサービス「Gitter」をオープンソースとして公開しました。
公開先は当然ながらGitHubではなくGitLab.orgです。
Gitterは今年3月にGitLabに買収されました。このときには有償プランが廃止され、何人でも無料で利用可能になっています。そしてこのときに同じくGitterをオープンソースにすることも約束されており、今回その約束が果たされたことになります。
Gitterとは、GitHubやTwitterのアカウントを用いて誰でも簡単にチャットルームを開始できるサービスです。Slackに似ていて、GitHubと連携して開発中のソフトウェアに関するコミュニケーションを便利に行うことができます。
現在もサービスは提供されていますが、オープンソース化によって同様の機能を誰でも自分の環境で立ち上げることができるようになりました。
現時点でオープンソース化されたGitterのコードはMacOS対応となっており、Linux版とWindows版は作業中とのこと。Gitterを実行するにはGitterのコードのほかにMongoDB、Redis、ElasticSearchがあわせて必要と説明されています。
GitLabはGitterをコミュニティとして見ている
なぜGitLabは買収したGitterのコードをオープンソース化したのでしょうか?
HackerNewsの掲示板に、GitLabのProduct Managerを自称するmydigitalself氏が登場し、次のように書いています。
Firstly, we see Gitter as more of a community than a product. That we have nearly 1,000,000 developers coming together on the platform to talk about code and open source software where public rooms far, far outweigh private rooms, is testament to that. So we're not trying to compete with MatterMost.
第一に、われわれはGitterを製品としてではなくコミュニティとして見ている。というのも、100万人近いデベロッパーがこれまでこのプラットフォームでコードやオープンソースについてパブリックルームでこれまで議論してきている。これはプライベートルームの重要性を上回ることであり、それ自身が(コミュニティであることの)その証明である。だからこそわれわれは(Slack互換のオープンソースである)MatterMostと競合しようはしていないのだ。
GitLabはGitterを買収したときに、「This acquisition is part of the our strategic plan to become the most popular SaaS solution for public repositories. 」(この買収は、最も人気のあるパブリックリポジトリのSaaSになる、という戦略の一部だ)と、その理由を説明しています。
つまりGitLabは、なんとしてもGitHubよりも人気のあるサービスになることが最優先の目標なのです。そう考えると、GitLabを製品として見ていないという前述のmydigitalself氏の言葉は、Gitterの買収が製品の買収目的ではなく、おそらくその多くがGitHubにひもづいているだろう100万人近いコミュニティをGitLabのユーザーとして獲得するチャンスを得たことに最大の理由があるのだということを伝えているのではないでしょうか。
今回のGitterのオープンソース化も、そうしたGitterコミュニティをさらに拡大するための一環だと見るべきなのでしょう。
※ 参考:GitLab 10.4リリース。WebIDE搭載開始、Dockerイメージの静的セキュリティ解析、アプリケーションの動的セキュリティテストなどの新機能
※ 参考:GitLab、CI/CD機能にGitHubやBitBucketなど外部のリポジトリが設定可能に。GitLab 10.6リリース
※ 参考:GitLabへのインポートが普段の10倍に急増、GitHubの買収報道で
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