Dockerコンテナに特化した「RancherOS」正式版リリース。Linuxカーネル上でDockerを実行、システムもユーザーもすべてをコンテナ空間に
Dockerコンテナの実行に特化した軽量なLinuxOSの「RancherOS」が正式版に到達したことが、開発元のRancher Labsから発表されました。
RancherOSは単にコンテナの実行に関係ないライブラリなどを省略してLinux OSをスリムダウンするだけではなく、Linux OSの構造そのものをコンテナ専用にしようというアプローチを採用しています。
その最大の特徴が「Everything in RancherOS is a container managed by Docker.」(RancherOSのすべてはDockerが制御するコンテナ内にある)というものです。
下記のRancherOSの仕組みを示した図にあるように、Linuxカーネル上でDockerを実行し、ntpd、syslog、consoleといったシステム関連のプロセスはこの「System Docker」が制御するコンテナ内で稼働。
System Dockerはユーザーレベルの空間を制御する「User Docker」を立ち上げ、ユーザー空間はこのUser Dockerのコンテナで実行されることになります。User DockerはSystem Dockerとは分離されているため、ユーザー空間での処理にシステムが影響されることはありません。
こうした最適化によって、RancherOSはわずか5秒から10秒で起動し、ほぼ即時にDockerコンテナを開始できるようになるとされています。
また同社は同時に、コンテナとマイクロサービスを基盤とした分散ブロックストレージ「Longhorn」を発表しました。
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