Dockerが商用版Dockerとして「Docker Enterprise Edition」発表、認証済みイメージやプラグインなど提供。無償版は「Community Edition」に

2017年3月6日

Dockerは新しい商用版ソフトウェアとなる「Docker Enterprise Edition」(以下Docker EE)のリリースを発表しました。

Docker EEはDocker社がサポートし、動作保証されたOSやクラウドなどで利用可能。認証済みコンテナイメージ認証済みプラグインなどがDocker Storeから提供されます。

fig Docker EEの全体像

Docker EEの対応OS、対応クラウドは次の通りです。

  • CentOS
  • Red Hat Enterprise Linux
  • Ubuntu
  • SUSE Linux Enterprise Server
  • Oracle Linux
  • Windows Server 2016
  • Amazon Web Services
  • Microsoft Azure

Docker EEは「Basic」「Standard」「Advanced」の3種類で提供されます。「Basic」は、前述の対応OS、対応クラウドでのDocker社のサポート、Docker Storeでの認証済みコンテナ、認証済みプラグインが提供されます。それに加えて「Standard」では、LDAPやActive Directoryと統合可能なDocker Datacenterを含み、「Advanced」ではDocker Security Scanningなども提供さます。

無償版は「Community Edition」に

同時に、Docker社から提供される無償版のDockerは「Docker Community Edition」(以下Docker CE)になることも発表されました。

Docker CEは、「Docker for Windows」「Docker for Mac」「Docker for AWS」「Docker for Azure」のほか、CentOS、Debian、Fedora、Ubuntu対応版がリリースされています。

Docker 17.03が先日リリースされたときに発表されたように、今後のDocker CEはセキュリティ対応とバグフィクス対応のリリースが毎月登場し、四半期ごとに安定板が登場することになります。同社は毎月のリリースを「Edge」、四半期ごとのリリースを「Stable」と呼び分けるそうです。

そして商用版のDocker EEはこの安定板ごとのリリースとなることも発表されました。

バージョン番号は「年2ケタ.月2ケタ」で示され、現バージョンはDocker CEが「Docker 17.03-ce」、Docker EEが「Docker 17.03-ee」となります。

参考記事

Kubernetesは、Dockerに依存しない軽量コンテナランタイム「cri-o」正式版1.0リリースした。cri-oはコンテナランタイムとしてはDockerに競合するが、コンテナイメージなどを作る機能などは備えていません。

コンテナ型仮想化の技術や実装はDockerが登場する以前から存在していたとはいえ、IT業界で本格的にコンテナの活用が始まったと言えるのは、やはり2013年3月に当時のdotCloudからDockerが登場したことがきっかけでしょう。Docker登場から現在までを振り返り、その次の段階を展望します。

Docker社の創業者兼CTOのSolomon Hykes氏は、3月28日付けでDockerブログにポストされた記事「AU REVOIR」(フランス語の「さよなら」)で、同社を去ることを発表しました。

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