CoreOS、コンテナに最適化した分散ストレージ「Torus」の開発中止を明らかに。期待したほど開発の速度が上がらなかったと
CoreOSは2016年6月に開発をスタートしたKubernetesで稼働するコンテナに最適化したストレージ「Torus」の開発がこの2月で終了したことを明らかにしました。
Torusは、etcdを用いてシンプルで信頼性の高い分散ストレージを実現するソフトウェアです。KubernetesのPodから、ブロックストレージとしてマウントできるというもの。
コンテナのノードを増やすのと同じようにストレージプールのノードを増やすことでストレージを拡張でき、またブロックストレージだけでなくオブジェクトストレージなどへの拡張も実現しようとしていました。
CoreOSのCTO、Brandon Philips氏はTorusの開発中止に至った理由を、十分なコミュニティとの連係ができず、開発速度もあがらなかったとコメントしています。
But, we didn't achieve the development velocity over the 8 months that we had hoped for when we started out, and as such we didn't achieve the depth of community engagement we had hoped for either.
私たちはこの開発が開始したときに期待したような開発速度を過去8カ月のあいだに獲得することはできませんでした。と同時に期待したようなコミュニティとの深い連係も得られませんでした。
(「Merge pull request #449 from philips/add-project-status · coreos/torus@4df3e56 · GitHub」から)
CoreOSは今月、コンテナオーケストレーションのfleetの開発終了を発表し、代わりに同社のオーケストレーションソフトウェアとしてKubernetesを採用するとしました。Torusの開発終了のタイミングもほぼ同時期であるのは偶然なのか、それとも開発リソースの配分を見直しているところなのでしょうか。
あわせて読みたい
マルチクラウドの企業はこの1年で82%から85%へ増加、セキュリティへの懸念は減少。クラウド別ではAzureの採用が急増。RightScaleの調査2017年版公開
≪前の記事
運用監視クラウドサービスのDatadog、アプリケーション監視の「Datadog APM」を正式リリース。インフラ、ミドルウェア、アプリをまとめてクラウドで監視可能に