「キャズム理論」のキャズム・インスティテュートが日本上陸。キャズムを超えて成功する「マーケット戦略」を作るため、トレーニングやコンサルティングを提供開始[PR]
テクノロジーを活用した製品が市場で大きな成功を収めるには「キャズム」と呼ばれる市場の深い溝を超えなければならないという「キャズム理論」。その本家であるキャズム・インスティテュートが日本で正式にトレーニングやコンサルティングを開始する。
テクノロジーを活用した革新的な製品が新しく登場したとして、それが市場で大きな成功を収めるには「キャズム」と呼ばれる市場の深い溝を超えなければならない、という話は「キャズム理論」としてよく知られています。
このキャズム理論は、ジェフリー・ムーア氏の著書「Crossing the Chasm」(日本語版「キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論」)をきっかけに広く知られるようになった、テクノロジー業界でもっとも有名なマーケティング理論のひとつです。
しばしば私たちは、「これは世の中を変えるほどすごい製品だ」とメディアやアーリーアダプターが興奮して紹介するものの、結局はキャズムを超えられずにニッチにとどまったり、あるいは市場からひっそりと退場していく製品を目にすることがあります。
多くの読者もそうした製品の名前、例えば一部のウェアラブルデバイスや野心的なスマートフォン用OS、鳴り物入りで登場したはずのモバイルサービスなどを思いつくことができるのではないでしょうか。
このキャズム理論の登場は1990年代にさかのぼることができますが、いまもジェフリー・ムーア氏を名誉会長とするキャズムインスティテュートは、過去20年以上、500社以上の企業分析や市場動向などによってこの理論を継続的に強化しています。
同社の顧客には、GE、グーグル、セールスフォース、マイクロソフトなどの大企業から、スタートアップや急成長企業まで、さまざまな企業の名前が並びます。どうして規模の大小を問わず多くの企業が、キャズム理論を採用するのでしょうか?
いまも進化し続ける「キャズム理論」
キャズム理論の基本は「Tech Market Model」(TMM。現在は成熟市場を含めたバージョン2に進化)と呼ばれる有名な図の、キャズムの左側に存在する「初期市場」と右側にある「成長市場」のあいだに大きな溝(キャズム)があり、キャズムの右と左では大きく異なるマーケットアプローチが必要になる、というところにあります。
例えば、キャズムの左側に位置する初期市場では、新しいテクノロジーを採用した製品や新しいコンセプトを備えた製品をまっさきに入手し、試すことを好むテクノロジーマニアやアーリーアダプターと呼ばれる人たちが中心となっています。
一方、キャズムの右側にある成長市場や成熟市場では、実利や実用性を重視する実利主義者や保守派が中心であり、その価値観は初期市場の顧客とは大きく異なっています。
つまり自社製品がこのTMMのどこに位置するのかを正確に理解し、そのうえでそのマーケットをどう攻略する、そこからどのように次のセグメントへ前進するのか、といったことを判断し実践できなければ、マーケットで成功することは難しいといえるのです。
キャズムの図にまつわる誤解が広まっている
ところが、自社製品がTMMのどこに位置しているのかをきちんと理解することは簡単そうに見えて、実はそれほど簡単なことではないと、キャズム・インスティテュートのマネージング・ディレクター マイケル・エックハート氏は語ります。
「この図はとても有名だが、同時にこの図にまつわる誤解も広まっている」とエックハート氏。
「この図ではTMMは4つに分かれているように見えますが、実際には14もの異なるステージに分かれています。実はこれはとても複雑なのです。私の経験でも、エグゼクティブに自社製品がどの段階にあるかと尋ねると、間違った回答が多く戻ってきます」(エックハート氏)
特に多い間違いが、なにも考えずに大きなマーケットを最初からねらってしまうことだとエックハート氏は指摘します。「それではスプレイ&プレイ。つまり大風呂敷を広げるだけ広げて、あとは祈るだけ、という失敗です」(エックハート氏)
ほかにも、例えばテスラの電気自動車は米国のシリコンバレーで1日に何台も見かけますが、他の都市ではそういうわけでなく、東京においても同様です。つまり同じ企業の製品であっても、地域や国でTMMにおけるポジションが変わることがあるので、その地域や国ごとに異なるアプローチが必要となるということだそうです。
大事なことは、まずひとつのセグメントを支配すること。そこから市場全体の支配がはじまるのだとエックハート氏。だからこそ、製品が現在どのセグメントに位置するのかを正しく認識することが成功の第一歩だと言うのです。
キャズム理論を理解するワークショップとツール
では自社製品がTMMのどこに位置し、どのセグメントを狙うべきかを正確に知るにはどうすればいいのでしょうか?
エックハート氏が所属するキャズムインスティテュートは、そのためのワークショップやツール、コンサルティング、トレーニングプログラムそして書籍など、さまざまなサービスやアイテムを幅広く提供しています。
本記事で紹介している図版も、実は同社が提供するワークショップのテキストから引用したもの。このワークショップとそこで説明されるツールを用いることで、自社製品がTMMのどこに位置し、どのようなマーケット戦略をとるべきかが分かるようになるとエックハート氏は説明します。
そして、このワークショップがターゲットとする人物像はふたつあるとのこと。
「ひとつは自社の将来を考えるトップエグゼクティブ。組織全体を動かし、成功さていくことを考える、あるいは組織の上層部として自社の商品やサービスのポートフォリオ全体を考える責任のあるひとたちです。
もうひとつは製品などに責任を持つプロダクトマネージャのような中間管理職です。自分の担当製品がどうすれば成功するのか、つねに考えている人たちです。
私たちのところには、こうしたエグゼクティブやプロダクトチームからセミナー、トレーニング、コンサルティングの依頼を受けています。CEOから連絡が来ることもありますし、CMO(チーフマーケティングオフィサー)からの場合もあります」(エックハート氏)
そして、マーケティング戦略ではなく、マーケット戦略という言葉を使っていることにも注目して欲しいと言います。
「米国でもマーケティングというと広告や宣伝が中心に考えられています。しかし、新しい製品やサービスを立ち上げて行くには、製品開発、営業、マーケティングなどの社内のクロスファンクション組織が、マーケットにいかにして参入し、勝ち抜いていくのか決めていくことが重要です。それをキャズムインスティテュートでは『マーケット戦略』とよんでいます」(エックハート氏)
キャズム理論は日本でも通用する
キャズム理論はたしかに有名な理論ですが、果たして日本でも通用するのでしょうか?
「答えはイエス、です。日本の企業は成熟した市場での製品展開は得意としていますが、残念ながら新しい市場でブレークスルーを実現するような製品は、ここ20年でみるとそれほど多くありません。それは、米国の企業と比べるとマーケット戦略の面で弱いからではないかと考えています。
マーケット戦略とは、ある製品やサービスがマーケットのどの位置にいるのかを見極めたうえで、なにをして、なにをしないのかを決断する、ということです。
私たちはワークショップとそこで提供するツール、コンサルティングで、そうした決断を支援しています」(エックハート氏)
キャズムインスティテュートが展開するワークショップを15年前に受け、現在は同社の日本プログラムディレクターでもあるMKTインターナショナルの赤井誠氏も、次のように話します。
「15年前、私が大手ITベンダで彼(エックハート氏)のコンサルティングを受け、国内のLinux事業の責任者として、日本のLinuxビジネスを当時のグローバル市場の中でトップとなる数百億円規模にまで成長させるところまで行きました。その経験から、キャズム理論とそのワークショップは日本でも通用すると自信を持っています。
例えば営業部隊がどういった顧客を狙うのか、パートナーとの関係をどうするのか、そういったことを含めた戦略的な企業活動を考えることで、成功していけると思います」(赤井氏)
キャズムインスティテュートでは、コンサルティングとトレーニングを提供しています。1日から2日の集中トレーニングでは、プロジェクトに合わせてキャズム理論の考え方やツールの説明を実施します。
同社のトレーニングは理論を詰め込むものではなく、明日から実行できるアクションを作ることができる実践的なワークショップ。多忙な企業の経営者層向けには、2時間から4時間でキャズム理論のエッセンスを紹介するエグゼクティブブリーフィングを提供します。
コンサルティングでは、12週間程度の期間、専任のコンサルタントがプロジェクトを支援し、新製品の立ち上げなどを支援しています。
7月にはジェフリー・ムーア氏の新刊「ゾーンマネジメント 破壊的変化の中で生き残る策と手順」も発刊されました。これからもキャズム理論とそれをベースにした企業経営とマーケティングの理論は国内外で注目されていくことでしょう。
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(本記事はMKTインターナショナル提供によるタイアップ記事です)
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