CanonicalがAmazon EC2用にチューンしたUbuntuカーネルをリリース。最大でカーネルブートが30%高速、15%小さく、i3インスタンスのI/O性能向上など
CanonicalはAmazon EC2用にチューンしたLinuxディストリビューション用のUbuntuカーネルをリリースしたと発表しました。
このAWS-tuned Ubuntu kernelはCanonicalとAWSが協力して開発したもので、Ubuntuの長期サポートリリースである「Ubuntu 16.04 LTS」に対応したもの。通常のUbuntuと同様にサポートやセキュリティメンテナンスを受けられると、発表の中で次のように説明されています。
The AWS-tuned Ubuntu kernel will receive the same level of support and security maintenance as all supported Ubuntu kernels for the duration of the Ubuntu 16.04 LTS.
AWS-tuned Ubuntu kernelはUbuntu 16.04LTSのサポート期間中、サポートされているすべてのカーネルと同様のレベルのサポートとメンテナンスを受けることができます。
3月29日以降、AWSのUbuntu Cloudイメージは標準でこのカーネルになっているとのことです。
AWS-tuned Ubuntu kernelでは次のようにブートスピードが30%高速になり、高速なストレージ用インスタンスのi3インスタンスで性能が向上するなど、多くの特長を備えています。
- 15%小さなカーネルパッケージで、カーネルのブートスピードが最大30%高速に
- Elastic Network Adaptaerのフルサポートおよび最新のドライババージョン1.1.2ではENAインスタンスタイプでの20Gbpsネットワーク速度をサポート
- i3インスタンスクラスでのNVMeストレージにおけるI/O負荷の高い状態での性能向上
- i3インスタンスでのI/O性能の向上
- t2マイクロインスタンスでのCPUスロットリングを解決
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