マイクロソフトとBoxがクラウドで提携。Azureが展開する各地データセンターでBoxのファイル保存可能に、コンテンツ管理に機械学習機能も活用
クラウド型ファイル共有サービスの分野において、OneDriveを提供するマイクロソフトとBoxを提供するBoxの両社は競合関係にあります。
その両社が6月27日付けで提携を発表しました(Boxの発表、マイクロソフトの発表)。提携の軸となったのは、BoxがMicrosoft Azureを戦略的クラウドプラットフォームと位置づけ、そのインフラやサービスを活用することです。
Azureのグローバルに展開するリージョンをBox Zonesで活用
提携によって実現される見通しの1つ目は、これまでBoxが企業向けにそれぞれのロケーションに近い場所でファイルを保存する機能である「Box Zones」を、Microsoft Azureが世界中に展開しているデータセンターを基にすることで、より広域かつ多数の地域で展開できるようになる、という点です。
下の図は2016年4月にBox Zonesが発表されたときに示されたロケーションで、全世界5カ所に用意され、現在は8カ所に拡大しています。
これが、現時点で全世界に40カ所ほどあるAzureのリージョンを活用できるようになるとされています。
さらにBoxは、Azureが提供する自然言語処理機能や動作認識サービスなどの機械学習の能力などを活用したコンテンツ管理機能などを今後充実させていくとしています。
Boxはクラウド型ファイル共有サービスとしてマイクロソフトのOneDriveとの競合のみならず、DropboxやGoogle Driveなど多くの競合を抱えています。一方でマイクロソフトもパブリッククラウド市場で巨人のAWSをキャッチアップすべく積極的な投資を続けています。
両社の提携はこれらを背景に、直接競合しない分野を選んで行われたものと考えられます。
Azureを活用したBoxのサービスなどは今年後半から提供予定とのことです。
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