「Azure Managed Applications」パブリックプレビュー開始。マネージドサービス付きのアプリをマーケットプレイスで販売し、料金をAzureの月額料金に上乗せ可能に
マイクロソフトは、Microsoft Azureでサードパーティがマネージドサービス付きのアプリケーションを販売し、その料金をAzureの月額料金に上乗せできる機能「Azure Manged Applications」のパブリックプレビューを発表しました。
マネージドサービスとは、アプリケーションの運用をサービスとして提供するというものです。
企業がクラウド上の仮想マシンに業務アプリケーションなどさまざまなアプリケーションをインストールし、利用するということが増えてきましたが、ユーザーが自分の仮想マシンにインストールしたアプリケーションの運用は、基本的には自分で行わなければなりません。
運用とは、例えば定期的なデータのバックアップ、稼働状態の監視や異常終了時の再起動、セキュリティパッチの適用やバージョンアップ時の対応などです。
こうした運用のさまざまな手間を肩代わりするのがマネージドサービスであり、それを提供するベンダのことを「マネージドサービスプロバイダ」と呼びます。
マネージドサービスプロバイダがマネージドサービスを提供する場合、まずは顧客とマネージドサービスの契約を結び、顧客の仮想マシンやストレージなどにアクセスする権限を得て運用を行い、契約に従って料金を徴収することになります。
今回発表された「Azure Managed Applications」は、こうしたマネージドサービスの提供を「Azure Marketplace」などから行えるようになり、クリックで簡単に導入でき、料金もクラウドの利用料金に自動的に上乗せされて支払われるというもの。
これによりマネージドサービスプロバイダにとって、マネージドサービスを見つけてもらいやすくなり、提供も容易になる一方、顧客も簡単にマネージドサービスの利用を開始できるようになります。
「Azure Managed Applications」には2種類の提供モデルが用意されています。
1つは「Service Catalog Managed Application」で、これは社内の情報部門などによって承認されたマネージドサービスだけが社内のサービスカタログに表示され、従業員が簡単にマネージドサービスを導入、利用できるというもの。おもに社内において従業員向けのクラウドアプリケーションを展開することが想定されています。
もう1つは「Marketplace Managed Application」で、これはマーケットプレイスでマネージドサービスが提供可能になるというもの。企業が業務アプリケーションなどを導入することなどが想定されています。
マイクロソフトは「Azure Managed Applications」を提供することで、Microsoft Azureをマネージドサービスプロバイダにとってビジネスがしやすいクラウドにし、さまざまなサードパーティのエコシステムの拡大を狙っているとみられます。
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