AWSがCloud Native Computing Foundationのプラチナメンバーとして加盟。AWSのコンテナサービスのノウハウをKubernetesに組み込むか?
Dockerコンテナのオーケストレーションを行うKubernetesの開発などをホストするCloud Native Computing Foundationは、Amazon Web Services(AWS)がプラチナメンバーとして加盟したことを発表しました。
Cloud Native Foundationには先月、マイクロソフトもプラチナメンバーとして加盟を発表したばかり。これでプラチナメンバーにはAWS、マイクロソフト、そして以前から加盟しているIBM、Googleと、大型クラウドベンダが揃ったことになります。
Cloud Native Computing Foundationは、Googleがオープンソースとして公開したKubernetesを開発プロジェクトとしてホストするため、2016年設立された団体です。運営はThe Linux Foundationの協力の下に行っています。
現在、同団体はKubernetesだけでなく、コンテナをベースにしたマイクロサービスアーキテクチャを実現する上で必要とされるような多数のソフトウェア、例えばコンテナランタイムのcontainerdやrkt、モニタリングツールのPrometheus、コンテナネットワーキングインターフェイスを策定するCNI、データコレクタのfluentd、リモートプロシジャーコールを実現するgRPCなどの開発を推進しています。
AWSのコンテナサービスのノウハウをKubernetesに組み込むか?
これまでAWSは、いわゆる標準化団体などへの加盟にはあまり積極的ではありませんでした。前述のようにCloud Native Computing Foundationへの加盟がIBMやGoogle、マイクロソフトよりも後になったこともそのことを示す例といえるでしょう。
しかし2015年に発足したコンテナの統一仕様の策定を目指す団体「Open Container Initiative」には発足時から加盟し、そして遅ればせながらも今回、Cloud Native Computing Foundationへの加盟を発表したことなど、コンテナ関連については同社にしては珍しく積極的に関わろうという姿勢が見えるようです。
Cloud Native Computing Foundationによると、AWS上ではユーザーによって多数のKubernetesが稼働しているとされていますが、一方でGoogleはGoogle Container ServiceでKubernetesをサポートし、マイクロソフトはAzure Container ServiceでKubernetesをサポートし、IBMもBluemix Container ServiceでKubernetesをサポートする一方、AWSのコンテナサービスであるEC2 Container ServiceではKubernetesをサポートしていません。
しかしAWSは例えばサーバレスアーキテクチャのAWS Lambdaでは内部でコンテナを利用するなど、同社独自のコンテナサービスの実装とノウハウを備えていることは間違いありません。
今回、AWSがCloud Native Computing Foundationに加盟し、プラチナメンバーになったことで同社はKubernetesの開発と実装に積極的に関わる環境ができたわけです。ということは、その中で同社のコンテナサービスのノウハウがKubernetesへ組み入れられ、またそれを反映したKubernetesベースのコンテナサービスがAWSで提供される、といったことがこれから期待できるのかもしれません。
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