AWSに寄せていくAzure、ストレージを物理配送する「Azure Data Box」を発表。アベイラビリティゾーンやリザーブドインスタンスに続き
マイクロソフトは、頑丈なケースに内蔵したハードディスクに大量のデータを保存し、オンプレミスからクラウドへ物理配送できる「Azure Data Box」をプレビューとして発表しました。
Azure Data Boxは、ケースをオンプレミスのネットワークに接続し、SMBもしくはCIFSを用いてデータを保存することが可能。
保存されたデータはケースの内部で256-AESを用いて暗号化され、Azureへアップロードされ次第デバイスからデータは安全に消去されるとのことです。
Azure Data BoxはAWS Snowballと同様のサービス
AWSのサービスに詳しい読者であれば、Azure Data BoxがAWSの「AWS Snowball」と類似のサービスであることに気が付くでしょう。
データをストレージに保存し、それをクラウドへ物理転送するサービスは、AWSからは「AWS Snowball」が登場しており、Googleからは「Transfer Appliance」が7月に発表されています。
こうしたデータの物理配送サービスが登場する背景には、大容量データの転送にはネットワーク回線を用いるよりもストレージに保存して物理配送したほうが安価であるという理由があります。
Googleの説明を引き合いにすると、ネットワークの帯域が1Mbps程度の場合、100GBのデータ転送にかかる時間は約12日、1TBだと124日で、このあたりのデータ量から物理配送を用いた方が有利になるとされています。
1TB以上のデータをクラウドへ転送しようと考える企業は決して珍しくありません。物理配送を用いたデータ転送サービスには十分リーズナブルな理由があるといえるでしょう。
AzureはAWSのサービスに寄せているのか
マイクロソフトは以前から、他社の優れているものを積極的に自社製品に取り込んでいく姿勢があります。
Azureに関しては、可用性を高める「アベイラビリティゾーン」、仮想マシンのインスタンスを1年から3年分あらかじめ予約することで利用料金を割り引く「リザーブドインスタンス」と、AWSの代表的なサービスのうちの2つを、ほぼ同じ名称としてそのまま相次いで取り入れる発表をし、そして今回、名称は「AWS Snowball」とは異なるとはいえ、ほぼ同じサービスの「Azure Data Box」を発表しています。
クラウドにおいても他社の優れているものは積極的に取り込んでいくというマイクロソフトの姿勢が、ここにきて明らかに目立った動きとなっているように見えます。
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