AWS上にVMwareのディザスタリカバリ環境を構築。DR-as-a-Serviceを低コストで実現する「Data Domain Cloud DR」[PR]
多くの企業ではVMwareの製品群を用いてサーバ仮想化が実現されています。その一方、大手クラウドベンダが提供するクラウドサービスは、VMware製品以外の仮想化ハイパーバイザが使われています。
例えばAmazon Web Services(AWS)ではXenが、Microsoft AzureではHyper-Vが、Google Cloud PlatformではKVMが使われている、という具合です。
こうした仮想化ハイパーバイザの違いは、オンプレミスやクラウドを個別に使っているときに気になることはほとんどありません。しかし、オンプレミスとクラウドを連携して使いたいとき、例えば、クラウドとオンプレミスのあいだで柔軟にワークロードを移動したい、といったことを考えるときに課題が顕在化します。
仮想化ハイパーバイザはそれぞれ独自の仮想化イメージのフォーマットを持っているため、異なる仮想化ハイパーバイザのあいだで仮想マシンを移動もしくは共有などをするためには、なんらかのフォーマット変換などが必要になるからです。
クラウドはディザスタリカバリ先として優れている
クラウドとオンプレミスのあいだでワークロードを移動したいユースケースのひとつが、クラウドをオンプレミスのディザスタリカバリ先として想定する場合です。
そもそもクラウドは、オンプレミスのディザスタリカバリ先として優れた特性を備えています。
一般にクラウドは使った分だけしか料金を払わなくていいため、万が一オンプレミス側に災害が発生したときにだけクラウド側で仮想マシンを起動することで、クラウド側でスタンバイしているシステムのコストを圧倒的に安くすることができるからです。
しかもクラウドが稼働しているデータセンターは冗長化が進んでおり、より信頼性の高いことも、クラウドがディザスタリカバリ先として優れていることの理由を補強しています。
しかしいざクラウドをディザスタリカバリ先として利用しようとしたとき、前述の課題が顕在化します。VMware製品で構築されたオンプレミスのシステムを、どうやってクラウドへ、例えばAmazon Web Services(以下AWS)などへスムーズに移動させるか、という課題です。
そのためにDell EMCが今年の5月、ラスベガスで開催した「Dell EMC World 2017」で発表した製品があります。「Data Domain Cloud DR」です。VMwareの仮想環境を自動的にAWS対応に変換してくれる機能を備えた、クラウドバックアップとディザスタリカバリを実現してくれます。
AWSを自動的にディザスタリカバリ先としてくれるData Domain Cloud DR
Data Domain Cloud DRは以下の3つの特徴を備えています。
- VMwareで構成されたオンプレミスシステムを災害時に自動的にAWSへ変換し、ディザスタリカバリを実現
- Data Domainの強力な重複排除などのデータ圧縮機能で通常時のバックアップデータは小さく抑えられ、低コストなクラウド利用を実現
- オンプレミスでのバックアップシステムであるAvamarおよびData Domainと機能統合されている
Data Domain Cloud DRの具体的なアーキテクチャは以下のようになっています。
通常時、オンプレミス側ではAvamarによってバックアップデータが集められ、バックアップアプライアンス(もしくは仮想アプライアンス)であるData Domainに保存。自動的にバックアップデータがAWSへ送られ、Amazon S3に保存されます。
災害発生時にはオンプレミス側のエージェントからAWS側のサーバへメッセージが送られ、ディザスタリカバリのための作業が開始されます。
Amazon S3のバックアップデータからシステムイメージを復元、仮想マシンのAmazon EC2やブロックストレージのAmazon EBSが利用可能なデータへ変換するなどでシステム全体をAWS内で構築、起動します。
Data Domain Cloud DRはAWSの機能を駆使する
Data Domain Cloud DRは、AWSのクラウドサービスを駆使してバックアップとディザスタリカバリ機能を実現しています。例えばデータ保存にAmazon S3を、イメージ変換にはAWS VM Conversionを、AWS内のプライベートクラウドとしてAmazon VPCを用い、ロードバランスにはAuto-Scaling Groupを、システム構成の構築にはCloud Formationを用いるなどです。
これによりクラウドに最適化されたディザスタリカバリを低コストかつ迅速に実現できるようになっているのです。
こうしたクラウドによるディザスタリカバリは運用コストが小さくて済むため、すでに自前のディザスタリカバリサイトを用意している企業にとっても、セカンダリのディザスタリカバリサイトの選択肢として検討できるのではないでしょうか。
Data Domain Cloud DRは、5月にラスベガスで開催された「Dell EMC World 2017」で発表されたばかりの新製品で、日本での具体的な展開は今後正式に発表される予定。
年内には新機能として、現在のオンプレミスからAWSへのフェイルオーバーに加えてAWSからオンプレミスへの自動フェイルバック機能も追加予定です。また、対応クラウドも今後Microsoft AzureやVirtustreamなどへ広げていくと説明されています。
(本記事はDell EMC提供のタイアップ記事です)
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